INDEX 

2016/06/02 【FC】「フランチャイズマニュアル作成・活用のポイント」

bn_franchise

こんにちは。BIPの高木 仁(たかぎ ひとし)です。

伊勢志摩サミット2016が行われる1ヶ月前の伊勢・志摩へサイクリングにいってきました。1ヶ月前とはいえ、サミット会場となった賢島とその付近は超厳戒態勢。サミット会場の賢島方面に向いて記念撮影していると、島の入り口で警備をしていた警察官がこちらへ近づいてきました。
「風景を撮るのはOKですが、警備している方は撮らないようご協力おねがいします」
と和やかな雰囲気で言われました。一瞬、緊張してしまいましたが納得。
伊勢・志摩の素晴らしい景色とグルメを楽しんできました(リアス式海岸沿いの激しい登り下りにもたっぷり楽しませられましたが)。

01_画像1

さて、前回のコラム:【FC】「フランチャイズマニュアルとは?」では、フランチャイズマニュアルの役割や必要性について確認しました。今回は「フランチャイズマニュアル作成・活用のポイント」について解説します。

フランチャイズマニュアルには何があるか?

一言でフランチャイズマニュアルといっても、その目的や対象者によって内容は様々です。以下に、フランチャイズマニュアルの種類をまとめました。

02_表

※フランチャイズ研究会 著「フランチャイズマニュアル作成ガイド」(同友館)より抜粋。

マニュアルはいきなり作れない?

前回のコラムの最後にもふれましたが、フランチャイズマニュアルは、いきなり書き始めることはできません。マニュアル作成は、『ルール作り→しくみ作り→マニュアル作り→しかけ作り』という流れに従って進みます。

03_画像2


マニュアル作成|ルール作り

ルール作りとは、商品の製造方法、飲食物の調理方法、サービスの提供方法、接客方法など、その具体的手段や手順について、できるだけ具体的にルール制定していくことです。この時には、寸法、時間など、数値に置き換えて行く作業も必要です。
店舗によって、あるいは人によって、これらが異なってしまっては、顧客に提供する商品・サービスの品質にバラつきが出てくることは容易に想像できると思います。ですから、最初にこのルールを作ることから始めるのです。

マニュアル作成|しくみ作り

次に、決めたルールを一連の業務の流れ(ビジネスプロセス)にしたがって実行できるよう、しくみを作り上げていきます。このとき、一連のプロセスを最適化し、効率的・効果的に業務が流れるよう最適化していく必要があります。
業務の流れを最適化するときに「ECRS」という考え方が使えます。

Eliminate【排除】そのプロセスをやめられないか
Combine【統合】そのプロセスを他のプロセスと統合できないか
Rearrange【順序変更】プロセスの順序の変更はできないか
Simplify【単純化】そのプロセスを簡単にできないか

プロセス改善を以上の順序で試すと効果が高くなります。
さらに、ITを活用することによって、さらなる効率化が図れることになります。しかし、あくまでもIT化は手段にすぎません。あくまでも、業務のルール化としくみ化をしたうえで、より最適化を図る手段としてIT化を考えなければ、IT投資に対する最大限の効果は得られません。

マニュアル作成|マニュアル作り

そして、マニュアルを作成していくことになります。その手順は、主に、以下のように流れていくことになります。

04_画像3

そして、実際に作成されるマニュアルはわかりやすくなければなりません。
わかりやすい文章で書くためのポイントとして、まずは、マニュアルを利用するターゲットを明確にし、そのターゲットに合わせて書く必要があります。店長が利用する場合と、新人が利用する場合とでは、その内容や書き方、用語の使い方に違いがあることは理解できると思います。とりわけ、専門用語や業界用語の使い方には配慮が必要です。その上で、簡潔な表現で、表記のルールを統一して書くと良いでしょう。
また、分かりやすいマニュアルを作成するためには、文章ばかりでなく写真やイラスト、フロー図や表などの図表を多く使うように構成します。文章による左脳への刺激に加えて、図表を使って右脳も刺激することで、脳への定着率を向上させることができます。図表については、基本マニュアルで使用するフロー図やマトリックス図などはデスクワークで作成できますが、オペレーションマニュアルで多用する写真やイラストには現場での取材やヒアリングが欠かせません。マニュアル作成を契機として現場に足繁く通うことで、業務改善の種を見つけることもあります。
さらに、ページのレイアウトも読みやすさを左右する要素です。読者に読むストレスを感じさせないために、「要素を整列させる」「関係のある要素を近づける」「対比を強調する」などの工夫が必要です。

マニュアル作成|しかけ作り

マニュアルは作って終わりではなく、活用していくことが重要です。さらに、一部の店舗や担当者だけが活用していても意味がありません。全店舗・全員がマニュアルを活用しなくてはいけません。
マニュアルを活用するためのしかけ作りが必要です。例えば「すぐに見られる状態にする」「教育ツールにする」「チェックツールにする」などがそれに当たります。
外部環境の変化や顧客の変化に対応するため、自社のビジネスモデルやビジネスプロセス、商品・サービスの改善は常に行う必要があります。当然、それにともなってマニュアルの改訂作業も必須となります。そのための、管理体制や改訂ルールなどのしくみの整備が必要であり、マニュアルの活用→業務の改善→マニュアルの改訂という一連の流れが続くように、しかけを作っておく必要があります。

以上、マニュアルの作成と、作成後の活用について触れました。ぜひ、実際の現場で「使える」マニュアルの作成に挑んでいただきたいと思います。

 

■参考書籍
フランチャイズ研究会 著「フランチャイズマニュアル作成ガイド」(同友館)

>>高木コンサルタントへのご相談はこちら


thumbnail_takagi高木 仁(たかぎ ひとし)

コンサルタント(IT企業 企画提案力強化・人材育成、フランチャイズ本部構築)

私は、フランチャイズコンサルを専門領域の一つにしており、フランチャイズ本部の構築や本部機能の強化などの支援をしています。このコラムでは、フランチャイズビジネスの情報や、フランチャイズ事業化を検討中の皆様に役立つ情報を中心に発信していきます。

>>プロフィールはこちら

 高木コンサルタントの書籍 

  

●『フランチャイズ本部構築ガイドブック』(共著)同友館
●『よくわかる!フランチャイズ入門』(共著)同友館
●『フランチャイズマニュアル作成ガイド』(共著)同友館

※読者の皆様へ、より便利に参考情報・参考書籍をご紹介するために、Amazon.co.jpアソシエイト・プログラムを採用しています。

◆ご質問・お問い合わせはこちらから
専門コンサルタントへの、ご質問、ご相談等、お気軽にお問い合わせ下さい。

BIPコンサルティング無料相談会のご案内 IT系企業/フランチャイズビジネス/M&A/組織・人事/小売業/建設業関連企業

各分野プロコンサルタントとの無料相談会を実施しています。
お気軽にお申し込みください。

受付中の無料相談会はこちら

執筆者別

トップへ

サービスのご案内

無料相談会

お問い合わせ

コラム「ミニ講座」

BIエッセイ

特集コラム

採用情報

無料メルマガ

無料メルマガ
BIPニュース
配信中!

BIPからのお知らせ、ビジネスに役立つ情報、佐々木昭美のBIエッセイ要約等、月2回配信!

メールアドレス:

東北復興支援

ページ上部へ戻る
Top