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2016/06/29 第36回「商品企画シリーズ⑮(石黒啓司) ■商品のライフサイクル理論(その6) 成熟期 誰を見て商品を作る?」

商品のライフサイクル理論も回を重ね、今回からは成熟期です。 

競争期と成熟期の明確な境界はありませんが、成長・競争を続けた後に来る競争激化で『ビジネスの旨みが薄くなる時期』、『競争の緊張感が薄れマンネリに陥り易い時期』と言えば分かり易いと思います。

この時期には頭の使い方次第で大きな差が出て来ます。
そのキーワードは『発想の転換』に尽きます。

先ずは次の基本理論チャートに立ち返って、頭を整理してみましょう。

図1

競争期までは、その商品カテゴリの普及と活気に押され、各社がある程度の努力をすれば業界全体として何とかビジネスが維持できた段階と言えます。

反面この成熟期を乗り切るには発想の転換が必要であり『誰の目線で商品を差異化するか』が大きなターニングポイントではないかと考えています。

一般的な考え方では『顧客の視点で商品企画する』…が優等生の答えなのでしょうね。でも、B2Cのビジネスとは言え、直販体制で顧客と接している企業などほぼ皆無です。通常は問屋・販売会社・販売店を経由して店頭もしくは通販、ネット販売されているのが現実と言えます。すなわち『流通を意識した商品企画』も重要な要素となって来ます。

勿論、商品の最終購入者は顧客であり、『どんな顧客を意識した商品企画』が必要なのか…を見直すことも重要です。漫然と従来から続く顧客層だけを前提にしていたのでは、先細りであり、その商品ビジネスは漫然と衰退期を迎えるだけなので、新しい顧客創造を意識した商品企画が求められます。

これらを整理したのが次のチャートです。

図2

皆さんの業界でもこれに類する流通、ビジネスパートナー、顧客が存在することと思います。また業界全体にかかわる皆さんがそれぞれの視点を持っていることでしょう。成熟期では従来手法を一旦リセットし、その目線に立った商品企画の工夫が大きな差異化に繋がります。

具体的に実例のヒントを幾つか挙げると

  新たな顧客創造商品  飲食店のBGM向けCD5枚チェンジャー
  販路対応商品  大型量販店専用商品(デザイン・機能・パッケージ・型名を変更)
  複合商品  CDラジカセ
  季節商品  受験生向けキットカット
  共同開発商品  大型量販店向けタイアップ商品

など、列挙にいとまはありません。

今回は販売チャネルを意識し過ぎたかも知れませんが、販路や顧客の観点で商品を見直せば新たな展開が必ずや見えて来ます。

以上、成熟期、マンネリを乗り切る発想の転換としてご紹介しました。


thumbnail_otsuka石黒 啓司(いしぐろ けいじ)

コンサルタント(商品企画、マーケティング、仕事力改革)

今の日本、政治・経済の停滞の中、特に企業の元気がありません。構造変化への対応、新しい挑戦の欠如が原因と痛感しています。 これらの打開には先ず、戦略力、創造力・統率力などの仕事力が必須。至近な実例を元に仕事力&元気玉の復活を目指して発信します。

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