佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション

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2014/12/25 恒例! 年末年始にお薦めの本25冊

 BIエッセイを1年間ご愛顧頂き、本当に有り難うございました。今年も恒例の「お薦めの本25冊」をお届けします。年末年始は、本を読む時間のある時期の一つですね。

 今年の年末年始は、「未来への旅」をしませんか! 私は、今年を“See(調査・視察) & Think(仮説・検証)”の1年として、仕事の合間に、未来を考える視察や読書をして来ました。

 2014年後半に私が読んだ本の中から、小説や学術書は基本省略し、「未来への旅」に繋がる本を中心に選びました。皆様の未来にとって参考になれば嬉しい限りです。

 

厳寒の季節、お身体を大切にして、ご家族揃って良き新年をお迎え下さい。

(ご参考まで。過去の「お薦めの本」はこちらからご覧頂けます。)

 essay20141225

<未来のために~日本人に希望と知恵と勇気をくれた人々から学ぶ>

(1)中村 修二 『負けてたまるか<新版> 青色発光ダイオード開発者の言い分』
 (朝日新聞出版 2014年11月 本体1300円+税別)

2014年ノーベル物理学賞を受賞した中村修二カリフォルニア大学工学部教授の著書です。今年は3名の日本人が受賞する嬉しい年となりましたね。徳島大学卒業後、徳島県の日亜化学工業で青色発光ダイオードを開発する。苦難な中での熱い戦いの前半生であった。今米国で更なる挑戦中。

 

(2)山中 伸弥・稲盛 和夫 『賢く生きるより 辛抱強いバカになれ』
 (朝日新聞出版 2014年10月 本体1300円+税別)

2012年にiPS細胞でノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸弥京都大学教授と京セラ・KDDI創業した稲盛和夫氏の京都対談。挫折と回り道を繰り返した山中教授の真実に驚く。高い頂きを目指す真のリーダーの闘争心、熾烈な国際競争を勝ち抜く情熱を語る。

 

(3)高橋 洋一 『経済政策の“ご意見番”がこっそり教える アベノミクスの逆襲』
 (PHP研究所 2014年11月 本体1400円+税)

国民が勝った。今年のキーワードは「税」となった。アベノミクスと消費税に対する多くのエコノミスト、ジャーナリスト、学者、政治家、官僚等の見解と予測は間違いが多かった。従って、敢えて私がこの本を紹介する次第です。元財務省・元内閣府参事官、現喜悦大学教授高橋洋一氏がアベノミクスと消費税を語る。

 

(4)文・構成 野地秩嘉 『高倉健インタヴューズ』
 (プレジデント 2012年8月 本体1600円+税別)

なぜか私も高倉健さんという俳優が好きだった。その何故かを知りたいと思った。風にたなびくたくさんの黄色いハンカチに感動した一人です。ほとんど取材を受けなかった高倉健の永久保存版「発言集」である。健さんの仕事観、人生観、好きな映画まですべてがわかるインタヴュー集となっています。

 

(5)アリス・シュローダー 『スノーボール改訂新版(ウォーレン・バフェット伝) 上・下』
 (日経ビジネス人文庫 2014年6月 本体 各1000円+税)

20~40代の若い方に是非お薦めします! ビル・ゲイツ氏に次ぐ世界第2の富豪である投資家ウォーレン・バフェット氏の唯一の公認伝記。スノーボールとは雪だるまのこと。小さい雪だるまである若い時のお金は、資金運用を大切にすると長い人生では大きな雪だるまになる。その極意と人生を知る貴重な本。震災後、日本企業投資のため、来日した。

 

(6)小板橋 太郎 『異端児たちの決断 日立製作所 川村改革の2000日』
 (日経BP 2014年8月 本体1500円+税別)

2009年3月期決算で日本製造業史上最大の7873億円の最終赤字を計上した日立製作所。その崖っぷちを救った男たちがいた。68才で再登板した川村会長兼社長、副社長5名はほとんど日立本体から一度離れた異端の武士達だった。日経新聞企業報道部デスク小板橋氏の日立スピード再建の記録。

 

(7)古森 重隆 『君は、どう生きるのか』
 (三笠書房 2013年7月 本体1450円+税別)

写真フィルム市場が消滅し、コダックが倒産する激変。日本最大写真フィルムメーカー富士フィルムを大胆な事業転換でV字回復させた世界が認める経営者古森重隆(現富士フィルムホールディングス代表取締役会長兼CEO)。「日本人よ、戦う気持ちを取り戻せ!」と語る。

 

(8)堀場 厚 『難しい。だから挑戦しよう 「おもしろおかしく」を世界へ』
 (PHP文庫 2014年6月 本体620円+税別)

 京都発のグローバルニッチ企業堀場製作所を率いる二代目堀場厚代表取締役会長兼社長。古都の分析メーカーを創業者の父から引き継ぎ“世界のHORIBA”へ。その体験と出会いから得た経営観、仕事観を語る。第1章失敗する、第2章経営する、第3章育てる、第4章誇りを持つ、第5章学ぶ、第6章恩返しする。

 

(9)デービット・アトキンソン 『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る-雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言』
 ( 講談社+α新書 2014年10月 本体840円+税別)

英国生まれの著者デービット・アトキンソン氏は、現在小西美術工藝社代表取締役社長。元ゴールドマン・サックス金融調査室長。小西美術工藝社は、創業以来300年を超えて国宝・重要文化財の補修を手がける老舗である。日本の良さを知り、日本人の壁を越える「観光立国政策」を直言する。

 

 <未来のために~三喜(働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び)人生を楽しむために未体験・未知の世界を知る>

(10)佐々木 正 『生きる力 活かす力』
 (かんき出版 2014年5月 本体1400円+税)

100歳現役を知りたいと思い読みました。京都大学工学部卒業。神戸工業(前身・川西機械製作所、現・富士通)取締役を経て、シャープ副社長、顧問を歴任。現在、NPO法人・新共創産業技術支援機構の理事長を務め、100歳の今も忙しい日々を送る。電卓の生みの親であり、シャープを日本有数の企業に育てた。液晶、太陽電池、半導体産業など日本の先端電子産業開発に深く関わった。ベンチャー企業育成にも熱意を注いだ。

 

(11)ケイトリン・リンチ『高齢者が働くこと-従業員が74歳以上の成長企業が教える可能性』
 (ダイヤモンド 2014年4月 本体2400円+税別)

米国は早期引退社会と思っていたので、意外なタイトルに惹かれた。著者はオーリン大学人類学准教授。「本書では、従来の基準に照らせば引退していてもおかしくない年齢のアメリカ人にとって、働くことはどんな意味があるかを考えていく。」ボストン郊外のステンレス製の針工場の「参与観察」を通じて、エイジング(加齢、老いること)、労働、意味、生きがいを考察している。

 

(12)福岡 伸一 『できそこないの男たち』
 (光文社新書 2014年10月第11刷 本体820円+税別)

女子必読!!目からウロコの分子生物学。「歴史的、社会的にではなく、生物学的に男は弱いのである。」 著者は青山学院大学理工学部化学・生命科学科教授。「<生命の基本仕様>――それは女である。本来、すべての生物はまずメスとして発生する。メスは太くて強い縦糸であり、オスは、そのメスの系譜を時々橋渡しし、細い横糸の役割を果たす”使い走り”に過ぎない-。」男を男たらしめる「秘密の鍵」であるSRY遺伝子を世界が追う。

 

(13)上杉 志成 『京都大学人気講義サイエンスの発想法』
 (祥伝社 2014年4月 本体1500円+税別)

「理科」や「自然科学」は、英語で「サイエンス」と訳されることがあるが正しくない。

「科学」つまり「サイエンス」は考え方です。著者は京都大学薬学部を卒業し、現在京都大学物質-細胞統合システム拠点教授。「この本は京都大学理科系1・2回生向きの全学共通講座の抜粋だ。・・その内容は、化学や生物学とは一見関係ないような音楽、文学、ビジネスのお話もあれば、身の回りのある事柄をちょっぴり違う角度で考えてみたいという小噺もある。」アイデア力を養う発想法を学ぶ好著。

 

(14)車 浮代 『蔦重の教え』
 (飛鳥新社 2014年2月 本体1600円+税)

蔦重(つたじゅう)とは、江戸時代に一世を風靡したあの歌麿を売り出した破天荒な天才プロデューサーである。著者の車浮世さんは、国際浮世絵学会会員、日本ペンクラブ会員で時代小説家。特に浮世絵と江戸料理に造詣が深い。本書は、蔦重から生き方と商売の極意、人生の勘どころを現代でも学べるエンタテインメント小説です。面白く、あっという間に読めますよ。

 

(15)岩切 友里子 『カラー版 国芳』
 (岩波新書 2014年9月 本体 1100円+税)

私は今年4月、趣味の一環で国際浮世絵学会に入会させて頂いた。還暦過ぎて、日本美術の素晴らしさを知り、少し深めたくなった次第。岩切さんはフリーのキュレーター。奇想の日本画家国芳のカラー版が新書で出版され、代表作70点余の絵と時代の様子を気軽に味わえます。国芳は、武者絵・戯画・美人画・役者絵・風景画とあらゆるジャンルで破格の構図、自由自在なアイデアで楽しさを提供した。現代にも伝わって来ますね。

 

<未来のために~外国人、海外生活の日本人から見た等身大の日本を学ぶ>

(16)ステファン・シャウエッカー『外国人が選んだ日本百景』
 (講談社+α新書 2014年3月 本体890円+税別)

スイス生まれ。妻の実家がある群馬県藤岡市に住み、インターネットの「ジャパンガイド」を開設。月平均アクセス数は800万件を超える。外国人の満足度・人気度高いのは意外な場所。「伝統的な日本」を叶える白川郷、乳頭温泉郷、岡山城。「スピリチュアルな日本」を感じるパワースポットの出羽三山、宮島、清水寺、高野山、伏見稲荷神社。「日本の自然」を味わう屋久島、西表島。外国人がハッと見張る体験の札幌雪祭り、恐山、東大寺、ねぶた祭、広島平和公園、黒部アルペンルート、金閣寺、富士登山、吉野山の桜等。

 

(17)コリン・ジョイス『「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート』
 (NHK出版 2014年11月 第25刷 本体700円+税別)

16年間日本に滞在した英国人記者コリン・ジョイスの率直な見方が面白い。2006年初版以来10万部超えるロングセラー。日本語の難易度、おもしろい日本語、サムライサラリーマンはいなかった、日本の日常光景、行儀作法、独創性、ジョーク、東京の魅力、イギリスと日本は似ている?、イギリスに持ち帰るべきお土産、日英食文化等。

 

(18)川口マーン恵美 『住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち』
 (講談社+α新書 2014年9月 本体880円+税別)

私は最近10年程毎年ヨーロッパを旅して、タイトルに惹かれて読んだ。大阪生まれ、ドイツ30年在住の作家がヨーロッパを語る。第1章泥棒天国ヨーロッパ、第2章エアロビのできないドイツ人、第3章不便をこよなく愛すノルウェー人、第4章スペイン人の闘牛と日本のイルカ漁・・第10章歌舞伎と瀕死のオペラを比べて、第11章同性愛者が英雄になるヨーロッパ、第12章「移民天国」か「難民地獄」か・・。

 

(19)オティエ由美子『イギリス、日本、フランス、アメリカ、全部住んでみた私の結論。日本が一番暮らしやすい国でした。』

 (泰文堂 2014年11月 本体880円+税別)

4つの国に住んだ英仏翻訳者が20項目で私的判定した内容は興味深い。1衛生観念、2サービスの質、3食、4住居、5バカンス・旅行事情、6通勤、7安全、8自制心、9マナーと道徳心、10国際性・外国に対する興味、11自己主張力、12ユーモアのセンス、13学国語学習、14理数系教育、15義務教育、16家族、夫婦、17階級、18女性の社会進出、19ボランティア・寄付、20政治への関心

 

<未来のために~日本・東洋・西洋の思想と歴史に学ぶ>

(20)佐伯 啓思 『西田幾多郎』
 (新潮新書 2014年10月 本体780円+税別)

数年前、京都での学会の合間に「哲学の道」を歩きました。この名称は哲学者西田幾多郎にちなんだものとはよく知られています。その割には「日本人の哲学」を完成させたと言われる西田哲学の内容を余り知られていない気がします。根源である「無私の思想」とは何か?日本的精神の核心を解説する好著。

 

(21)古田 博司 『ヨーロッパ思想を読み解く-何が近代科学を生んだか』
 (ちくま新書 2014年8月 本体800円+税別)

20~40代の若い方に是非お薦めします!「人生には無限の可能性はない」。しかし、「無限の存在へと近づく可能性」は健全すぎるほど健全にあると説く。なぜヨーロッパは近代科学を生み出す思想が発達したのかを探った好著。日本の思考様式の卓越性も探る。

 

(22)渡部昇一・本村凌二 『国家の盛衰-3000年の歴史に学ぶ』
 (祥伝社新書 2014年9月 本体840円+税別)

 日本は独自の文明圏であると世界の認識が進む。我々は、国家を抜きに未来を語れない。その国家・文明の盛衰を二人の学者が語る。古代ローマ史専門の本村凌二東京大学名誉教授と英語学・言語学・文明論専門の渡部昇一上智大学名誉教授。国家繁栄と覇権の条件、ローマ、スペイン・オランダ、イギリス、アメリカ、中国、日本。

 

(23)ジョージ・フリードマン 『続・100年予測』
 (ハヤカワ文庫 2014年9月 本体820円+税別)

前作『100年予測』の続編。前作は長期を俯瞰したが、本書は次の10年間の国家関係を分析・予測しており、自分の人生に直結すると思うので興味が沸きやすい。世界的インテリジェンス企業ストラトフォー会長。同社は政治、経済、安全保障に関わる情報を各国の政府機関、一流企業に提供し、「影のCIA」の異名を持つ。

 

(24)長谷川慶太郎 『大局を読むための世界の近現代史』
 (SB新書 2014年11月 本体760円+税別)

 ソ連崩壊を予言し的中させたエコノミスト長谷川慶太郎氏が歴史の大局を語る。未来を読みとおす卓見は、歴史への正確な理解から生まれると説く。「いまを生きる我々にとって意義があるのは、歴史の大きな流れを知り、その背景を読み解くことにほかなりません。「第一次大戦では連合国が勝った」という事実だけを知っていてもなんら意味はないのです。●なぜ連合国は勝ったのか ●なぜ同盟国は敗れたのか ●第1次大戦の前後で世界はどのように変わったのか」

 

(25)李登輝 『李登輝より日本に贈る言葉』
 (ウエッジ 2014年6月 本体2400円+税)

 台湾生まれ。元台湾総統。現在91歳の李登輝氏が、台湾と日本の将来を語る。日本と中国の本質を知る数少ないアジアの政治家です。第1章再生する日本、第2章李登輝の台湾革命、第3章中国の歴史と「二つの中国」、第4章尖閣と日台中、第5章指導者の条件、第6章「武士道」と「奥の細道」、第7章これからの世界と日本。

以上

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thumbnail_sasaki佐々木 昭美(ささき あきよし)

取締役会長 総合研究所所長

経営コンサルタント(経営改善、事業開発、ビジネスモデル、 人事戦略、IPO、M&A、社外取締役)

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