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係長、課長、部長にとって儲かるしくみ(=ビジネスモデル)を作るための知識・策定能力は、今や必須となっています。
なぜ、今ビジネスモデルなのか?その秘密について解説します。

問題です。これは何を表しているグラフでしょうか?

突然ですが、次のグラフは何を表していると思いますか?

ビジネスモデル革新の持続性

ヒントです。

  • icon-check-square-o横軸は年数で、ある時点から時間が経過していることを表しています。
  • icon-check-square-o縦軸はパーセントです、あるものとあるものを比較し、その差を表しています。

このグラフが何を意味しているか考えながら読み進めてください。

 

「良いものを作れば売れる。独自技術力で勝てる」のか?

もう一つグラフを見てください。

日本製品が占める国際シェア

※参考文献:妹尾堅一郎 『技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか-画期的な新製品が惨敗する理由』(ダイヤモンド社 2009年7月)序P11より

見ていただくとわかるように、1970~80年代に世界を制覇した日本製造業の競争力は劣化の一途をたどっています。日本の大企業が傾き始めている様子は、ニュース・新聞などでも報道されており、皆さんもご覧になっていることかと思います。
その一方で、米国・韓国・中国は、ビジネスモデルの構築・イノベーションに成功し、次々と日本企業を追い抜いています。
「良いものを作れば売れる。独自技術力で勝てる」という時代はとっくに過ぎました。儲かるしくみ(=はビジネスモデル)を作れなければ、グルーバル化が進む現在において、企業が生き残ることは難しくなっています。

 

ビジネスモデルとは

そもそもビジネスモデルとは何でしょうか?一言でいえば「儲けのしくみ」のことです。

  • icon-check-square-o誰に(顧客ターゲット)
  • icon-check-square-o何を(顧客価値)
  • icon-check-square-oどのようにして提供するか(開発・生産・販売・物流システム)

この一連の流れで儲けを作るしくみのことをビジネスモデルと呼びます。
これまでは、ビジネスモデルの特徴を捉えることは難しく、そこに携わる人々の認識を合わせることも難しい状況でした。そのような中、様々なビジネスモデルの特徴を表すことができる、実践に即した分析メソッドが誕生しました。
それが、「ビジネスモデル・キャンバス」というフレームワークです。

 

ビジネスモデル・キャンバス

ビジネスモデル・キャンバスでは、ビジネスモデルの特徴を表現するため、その全体像を9つのブロックに分けて記述していきます。キャンバス全体を見渡すと、各ブロックが相互に関係し合いビジネスが成り立っていることがわかります。一番下にある「コスト構造」と「収益の流れ」はビジネスの土台となるものです。キャンバスの右半分は、顧客が求めるニーズに合致する顧客価値を、顧客との関係を構築・維持しながら届けることで収益が入ってくることを表しています。左半分は、リソースや主要活動、パートナーとの連携などによってコストが発生する様子が表されます。

画像2

(出典)http://www.businessmodelgeneration.com

組織的にビジネスモデルの立案・実行をするためには、一部の幹部だけでなく、組織メンバーが共通の思考基盤を持っている必要があります。チームでビジネスモデルを検討する際には、「ビジネスモデル・キャンバス」を使うことで、メンバーの共通認識をもちながら進めることができます。

 

最初のグラフの答え|ビジネスモデルは革新しつづけなければならない

最初にお見せたグラフの正体です。

ビジネスモデル革新の持続性

*出典: 参考文献. 三谷宏治『ビジネスモデル全史』デスカヴァー・トゥエンティワン2014年9月 P366

このグラフは、世界的コンサルティング会社のボストン・コンサルティング・グループが2009年のレポートで示したものです。ビジネスモデルの革新に成功したとしても、それで得られる競争優位性は5~10年の間しか得られないことを示しています(▲:ビジネスモデル・イノベーター)。
ビジネスモデルの革新を起こしたときには、業界の平均収益率からの差は大きいものですが、10年も経ってしまえば、プロセス/製品・イノベーター(□)や業界平均(●)との差はほとんどなくなってしまうのです。
ビジネスモデルの革新が必須であることは、すでに述べましたが、革新を起こして終わりではありません。5年10年先を見据えて、常に革新しつづけなければならないのです。そして、経営者層だけがビジネスモデルを考えていても革新を継続することはできません。係長、課長、部長レベルの従業員が、ビジネスモデルを設計し・実行し・改善する。そのようなサイクルを回し続けられて初めて真のビジネスモデル革新が進むのです。

 

係長・課長・部長にとって必須:ビジネスモデルの知識・策定能力

つまり、係長、課長、部長にとってビジネスモデルを作るための知識・策定能力は、今や必須となっています。ところが今までの一般的マネジメント研修では、この分野が不足しているのが実態です。日本の各業界大手企業では、数年前から急いでビジネスモデル研修に取り組み始めています。
係長、課長、部長が、世界的ビジネスモデル設計ツールの「ビジネスモデル・キャンバス」を使いこなせるようになることが、今後の企業の存続にも関わっているといっても過言ではありません。

皆さんの会社では、すでに始めているでしょうか?
いまこそ始めるときです!!ビジネスモデル設計演習

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