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 情報通信系の業界紙【電経新聞】のコラムコーナーPoint Of Viewにて、弊社代表取締役社長の手塚がコラムを連載中です。第6回が掲載されましたのでご紹介します。

 経営コンサルティング会社の女性社長の視点から、さまざまな業界、大小企業の変革現場の実情や、急増する事業承継・M&A、新たな人材育成・活用推進などを発信していきます。

2020/1/27紙面より 連載第6回 「これからのコーポレートガバナンス・独立社外取締役に求められること」
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【記事全文】

昨年12月の会社法改正では、上場企業などすべての大企業へ社外取締役を置くことが義務付けられた。あえて社外取締役を法的義務にした意味をしっかりと考える時期にきている。
上場企業の不祥事によるニュースが相次ぎ、その度にコーポレートガバナンスやコンプライアンス、社外取締役の重要性が論点となっているが、うまく運用できていない面があるのが現実だ。

これまで上場企業グループのビジネスモデル革新、M&A、連結経営など経営支援を行う中、社外から監督・助言を行う「独立社外取締役」と「コーポレートガバナンス」の重要性を強く感じてきた。当社のメンバーが独立社外取締役として経営参画する機会が増えつつあることにも一層責任を感じ、昨春からBIP社内研究会「社外取締役・コーポレートガバナンス研究会」(CGC研究会)を発足、独立社外取締役の実態と、あるべき姿についての調査研究を鋭意進めている。
独立社外取締役の役割・責務として、コーポレートガバナンスコード(企業統治指針)では、①経営の方針や経営改善について、自らの知見に基づき助言を行うこと ②経営の監督を行うこと ③会社と経営陣・支配株主などとの間の利益相反を監督すること ④独立した立場で少数株主をはじめとするステークホルダの意見を取締役会に適切に反映させることの四つを挙げている。

東京証券取引所が昨年8月に公表した調査データによると東証第一部上場企業2148社中93・4%の企業が、独立社外取締役2名以上の形式基準を満たしており、独立社外取締役の設置自体は意外と進んでいる状況がわかる。
しかしながら、形式基準は満たしていても「守りのガバナンス」が十分に機能せず不祥事を起こしてしまったり、「攻めのガバナンス」によって推進すべきイノベーションが思うように進んでいない企業は少なくないのが現実だ。
何が問題なのだろうか? 私たちの研究では実質基準を満たす人材不足とトップの姿勢ととらえている。

欧米では実質基準にほぼコンセンサスがあり、的確に該当企業の経営・事業について議論できて監督実行可能な人材が社外取締役に選出すべきだとされている。一方日本では昨年3月の日本能率協会調査によると、企業経営経験者のほかに、弁護士・検察官OB・会計士・税理士・学者が意外と多いことがわかった。また2018年の経済同友会調査によると、社内取締役、社外取締役の紹介で選定されるケースが圧倒的に多いのが実態だという。形式的な要件重視の選出や経営陣(社内取締役)との縁故関係が多いと思われてもしかたがないように見受けられる。経営の現場では企業価値を上げるために独立的な冷静な視点での助言と監督実行力のある、経営・事業の議論ができる人材が必要だという基本に忠実に人材発掘を進めるべきだ。

国民経済や世界に影響ある大企業トップは、きちんと議論できる人材を独立社外取締役に選任し、先頭に立って企業価値向上のリーダーシップを発揮してもらいたい。

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