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2019/11/13 【FC】「FC本部構築最初の一歩 プロトタイプモデルの確立」

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こんにちは。BIPの高木 仁(たかぎ ひとし)です。

「業績が好調だ!フランチャイズ本部を立ち上げたい!」

と思ったとき、まず何から手を付けていくべきでしょうか?

今回のコラムでは、フランチャイズ本部構築最初の一歩について解説します。

業績が好調?たまたま上手くいっているのでは?

フランチャイズ本部構築のコンサルティングについてご相談を受けていると、次のような相談してくる方がいらっしゃいます。

「飲食店を経営しているが、非常に好調で売上が右肩上がりなので、フランチャイズ展開をしたいと思っている」

そこで、少しお話をうかがっていくと、

「いま、1店舗目で1年経過したところ」

とのこと。

確かに売上も右肩上がりで業績は好調のようですが、さすがに、この状況で本部構築を考えるのは時期尚早というものです。1店舗で開業から1年程度しか経っていませんから、この業績が同じ調子で続くのか不明ですし、業績好調な理由の分析が不十分です。一過性の流行かもしれません、その地域だからかもしれません、その店主の強烈なキャラクターのおかげかもしれません。

フランチャイズ展開をするには、しっかりと成功要因を検証し、同じお店を再現できなければなりません。

なぜフランチャイズに加盟するのか?

ここで、なぜフランチャイズに加盟するのか?=フランチャイズ本部に求めるものはなにか?について考えたいと思います。

フランチャイズに加盟しようとする人(企業)は、フランチャイズ本部のブランド力とノウハウを利用したいと考えています。ブランド力とノウハウを手に入れることで、少しでもリスクを抑えて新しい事業を成功に導きたいわけです。逆に言えば、フランチャイズ加盟を希望する人にとって、十分なブランド力やノウハウが無い本部には加盟する意味がありません。

フランチャイズ本部を構築するには、たまたま上手くいっている状態というわけにはいきません。まぐれ当たりではないということを実証し、再現性のある店舗=プロトタイプモデルを確立しておく必要があるのです。

プロトタイプモデルを確立する方法

プロトタイプモデルの確立とは、成功パターンの型を作ることです。プロトタイプモデルを確立するには次のような8つの準備をしていく必要があります。

(1)業態コンセプトの確立

業態コンセプトの確立とは、「誰に・何を・どのように」の観点でビジネスモデルを作り上げていくことをいいます。顧客ターゲットの明確化、顧客ニーズを満たす魅力ある商品・サービスの開発、競合他社にはない売り方・提供方法の開発。そして、顧客にとって十分魅力的な商品・サービスなのか、魅力を伝える手段は確立しているのかを検討する必要があります。

(2)適正商圏と立地タイプの明確化

前述の業態コンセプトの店舗は、どのような商圏・立地に向いているのかを明確にしていく必要があります。商圏とはターゲットとなる顧客を店舗に呼び込むことができる地理的な範囲のことです。商品やサービス、交通の便などによってその範囲の広さは異なるため、適正な商圏範囲を明確にする必要があります。さらに、どのような立地に適性があるのかを見極めます。立地タイプには駅前型、住宅地型、ロードサイド型などがあります。

(3)商品・サービスの開発

前述したように、なぜ、その商品・サービスが売れているのか?その理由の分析がしっかりできていないといけません。フランチャイズ展開に向いた商品・サービスとは、その理由が明確にできている商品・サービスといえます。たまたまヒットしていている商品・サービスはふさわしくありません。商品・サービスにおける成功ノウハウがあるからこそ、継続的にフランチャイズ展開が可能になるのです。

(4)店舗オペレーションの標準化

店舗によって店舗オペレーションにばらつきがあるようでは、チェーン全体のイメージを保つことはできません。オペレーションを標準化し、お客様がどの店舗に行っても同じ商品・サービスを受けられるようにすることは必須です。サービス水準の向上とローコストオペレーションを同時に実現するためにも、基準となるオペレーションの確立は不可欠です。

(5)店舗デザイン・設計の標準化

フランチャイズチェーンは「統一のイメージ」のもとで展開することが重要です。店舗デザインが統一されることで、ブランド認知度が上がり、顧客を誘引させやすくなります。また、店舗のデザイン・設計を標準化することで、多店舗展開を進めるにあたってコスト削減効果も見込めます。

(6)効果的な販売促進策の検証

どれだけ魅力的な商品・サービスがあっても、その魅力を顧客に届けることができなければ売上を上げていくことは困難なものとなります。フランチャイズ本部には「売り上げをつくる」ためノウハウの一つとして、販売促進のノウハウも求められます。業態コンセプトによって、必要な販売促進の方法は異なります。フランチャイズ本部は、販売促進策を実践し、何が効果的なのかを検証し、そのノウハウを蓄積する必要があります。

(7)必要な経営管理システムの開発

経営管理システムとは、仕事の流れや情報を効率的に把握するための仕組みのことです。企業活動には様々な情報がありますが、これらの情報を効率的に処理し、分析できる仕組みが必要となります。正しい経営判断を行う上でも必須のものです。多店舗展開が進むにつれて取り扱う情報量が増えるため、それを整理し、いつでも取り出せる状況にしておくことが望まれます。そのために、POSシステムに代表されるようなITの導入も必須となってきます。

(8)業態のブラッシュアップ

プロトタイプが構築できたならば、これを磨き上げていく(ブラッシュアップする)必要があります。プロトタイプは一度構築すればそれで終わりというわけではありません。現在は社会環境、経済環境の変化スピードが速く、顧客ニーズも多種多様なものになっています。外部環境の変化に合わせて、常により良いものへと進化させていていかなければ企業として生き残っていくことは難しいでしょう。

以上、フランチャイズ本部構築最初の一歩として、プロトタイプモデルの確立について解説しました。まずは、「なぜ、今の経営が上手くいっているのか?」その検証から進めてみてください。

参考書籍:フランチャイズ研究会 著「フランチャイズ本部構築ガイドブック」(同友館)

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thumbnail_takagi高木 仁(たかぎ ひとし)

コンサルタント(IT企業 企画提案力強化・人材育成、フランチャイズ本部構築)

私は、フランチャイズコンサルを専門領域の一つにしており、フランチャイズ本部の構築や本部機能の強化などの支援をしています。このコラムでは、フランチャイズビジネスの情報や、フランチャイズ事業化を検討中の皆様に役立つ情報を中心に発信していきます。

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 高木コンサルタントの書籍 

  

●『フランチャイズ本部構築ガイドブック』(共著)同友館
●『よくわかる!フランチャイズ入門』(共著)同友館
●『フランチャイズマニュアル作成ガイド』(共著)同友館

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