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2012/07/01 第21話「ご報告! かきんこプロジェクト」

 2012年1月のコラム(第18話)で、「耕作放棄地からの柿畑復活プロジェクト!」と題して、岐阜の田舎で柿栽培を始めたことを書かせていただきました。正直なところ、岐阜まで通ってこんなことが続くのかと自分でも不安でしたが、東京での仕事の合間に休日を利用してたびたび岐阜に帰省し、なんとまだ続いているのです!このコラムでやると宣言してしまった以上、やめるわけにはいかなかったのも事実ですが。そこで今日は、ここまでの作業報告をほんの少しご紹介したいと思いま~す♪
※ちなみに、「耕作放棄地からの柿畑復活プロジェクト!」という題はとっても堅苦しいので、今後は「かきんこプロジェクト」と名称変更したいと思います。

コラム
こちらは、2011年9月。手を付ける前の畑です。生い茂っているのは柿の葉ではなく蔓草。雑草の王様とでもいいましょうか、、、ものすごい勢いで成長し、蔓状に伸びて柿の木に巻き畑中を覆い隠しています。実はこの下に、柿の木が20本ほどあるのです。地面からも背の丈ほどの草が一面にあり、畑は酸素不足状態。畑に立ち入ることも困難。もちろん、柿の実なんて1個もできていません。ここからの柿の木を救出するところから始めました。

コラム
2012年の1月~3月。蔓草怪獣が冬の寒さで弱ったところをすかさず攻撃!枯れてもなお巻きついて木を苦しめ続けている蔓草や棘を一つ一つほどき、蔓草怪獣の攻撃に負けて朽ちてしまった柿の幹や無造作に伸びた枝を切り倒し、下草を刈り、やっと柿畑だったことがわかる程度になりました。

コラム
2012年5月。若葉が出てきました。こんな光景は5年ぶり。万感の思いです。
しかし、毎月の草刈りと害虫駆除の消毒散布、肥料撒き、摘果作業、根が残っている限り容赦なく襲ってくる蔓草怪獣との根気強い戦い。果樹栽培ってほんとに大変なんですね。身をもって実感です。

コラム コラム
2012年6月。ようやく実をつけてくれました!といっても、ご近所さんの畑に比べたら葉っぱも弱弱しいし、実の付き方も大きさも貧弱です。そりゃそうですよね、5年間全く放置していたのにいきなり「実をつけろ!」なんて、人間の身勝手です。欲張り過ぎです。
上記の若葉の写真は、畑にあるもっとも若い木に付いたものです。畑には30本ほどの柿の木があるのですが、50年以上を超す老木から新しくても20年くらいたった木。観察すると、老木にはまったく実が付いていません。やはり5年間の放置は相当負担があったのでしょう。
そこで次の世代のために、新しい苗木を植えてあげました。頼んだよ!時代を繋いで畑をもっともっと元気にしておくれ!


日本各地では、このような耕作放棄地が拡大し、一つの地方行政の課題となっています。しかし行政としてもなかなか妙案が出せず、土地の所有当事者自身の課題意識は薄れ、悪循環となっているのが現状です。

なぜ耕作放棄地が増えるのか。我が家もしかりですがほとんどが兼業農家で、一言でいうと「この手の仕事は労多くして功少なし」として敬遠されるのでしょう。実際、軽いノリでやり始めた私ですが、地元にいる従兄が中心になって一緒にやってくれるからなんとか続いているのであって、実際相当大変です。そこそこ世話をすれば、そこそこの柿はできます。でも、できた柿はどうするのか。売れるようなモノであればまだいいですが、それは実際にはほんの何割というのが現実だそうです。傷があったり形が悪かったり、味も規定以下だったりしたら間違いなく行場のない柿が残り、それこそ労&コスト多くして功少なし。若い人には魅力のないものに映るでしょう。

私はこの柿事業(趣味から事業へいつのまにか転換)、将来的に考えたいと思っています。柿の2次、3次加工品などで行場のない柿の消費の道を考え、地方から消費の中心である都会に新しい流通を創り、結果として良い循環で柿農家さんが元気になればいいなと考えています。こんな企みもひっくるめた「かきんこプロジェクト」。結果にはまったく当ても自信もありませんが、チャレンジのし甲斐はあります。

ここでむりやり紐づけてしまいますが、柿栽培であっても、会社の経営であっても、新しい事業企画であっても、実は変わりません(ちょっと強引ですね・・・笑)。世の中に伝えたいもの、届けたいもの、目指したい姿があり、誰か(ターゲット)にむけて、魅力的だと思ってもらえるモノやサービスを、届ける手段(売り方)を考える。今と同時に将来もちゃんと考え、次の世代を任せられる新しい苗木(後継者)を育てることも同じ、、、そんなことを考えている今日この頃です。
ふたたび柿のことをコラムのネタにしてしまい、ますますギブアップできなくなってしまった「かきんこプロジェクト」。ぜひぜひ応援、よろしくお願いします。


◇◆◇ 柿にまつわるおまけのコラム 【柿の葉茶】
柿の葉を乾燥させたお茶、いわゆるハーブティです。
美味しい!って味でもなく、かといっていかにも健康効果のありそうな独特な味でもない中途半端さがゆえ、市場でも存在感は全くありません。しかし侮るなかれ、柿の葉茶には他のハーブやお茶とくらべて断トツに「ビタミンC」がとってもとっても豊富なんです。しかも、普通ビタミンCは熱に弱いのですが、柿に含まれているビタミンCは熱に強い成分なので、柿の葉茶として飲んでも効果的に摂取できるのですよ。これからの暑い夏、麦茶にブレンドして冷たくして飲むと、癖もなく美味しくいただけますよ。わが畑の柿には薬を少々施してしまったので柿の葉茶としては適していませんが、無農薬栽培の柿の葉茶が最近はよく見かけますので一度お試しを。

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