佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション

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2021/07/21 284号 恒例!夏休みにお薦めの本15冊

 やはり夏休みは、本を読む時間のある時期の一つですね。

 弊社BIP(株)は、「上場企業、地域中核企業の第2、第3の成長を共創支援する」及び「次世代の為に、日本を明るくイノベーション溢れる富国革新に貢献する」をミッションにしています。「明るく楽しくイノベーション」のサブタイトルで開始したBIエッセイも今年7月10日で14周年を迎えました。読者の皆様に深く感謝申し上げます。

 コロナ禍2年目ですが、オンライン勤務が増えたこともあり、読書が2倍以上に増えました。既存学会・社会通説、マスメディア情報などを超える事業、調査研究、出版、SNS発信している多くの日本人、経済人、研究者、ジャーナリスト等の存在に知見と勇気をもらいました。歴史軸、世界空間軸、諸科学統合軸など新たな視点や知見は未来実装に役立つと思います。

 主に今年上期に発売された本の中から、仕事や人生に与える影響のある本や、再読して役立つと思ったお薦めの本15冊を紹介します。皆様の明るく楽しい「三喜人生(働く喜び・学ぶ喜び・遊ぶ喜び)」作りに役立てば幸いです。

 猛暑の季節、お身体を大切にして、ご家族揃って楽しい夏休みをお過ごし下さい。

(ご参考まで。過去の「お薦めの本」は こちら からご覧頂けます。)

書籍

 

1、東洋大学情報連携学部学部長 坂村健 『イノベーションはいかに起こすか AI・IoT時代の社会革新』
 (NHK出版新書 2020年10月 本体800円+税別)

 イノベーションが起こりやすい社会は、どのように設計すればよいか。「文・芸・理」融合人材が日本を救う。坂村先生は、IEEEの標準OSに採用されたTRONで有名ですが、私は東洋大学に「INIAD(情報連携学部)」を2017年に創設したコンセプトと実践者として自ら学部長に就任した坂村先生を知り魅了されました。
 BIP(株)のミッションと統合知性(BIIビジネス・インテグレーテッド・インテリジェンス)に近い認識の高等教育機関が出来た意味は大きいと思います。「人の連携」から始めた。

 

2、喜悦大学ビジネス創造学部教授、(株)政策工房代表取締役会長 高橋洋一 『給料低いのぜーんぶ「日銀」のせい』
 (2021年6月 ワニブックス 本体860円+税別)

 意外と知らない国民が多い「日銀」と国民の生活の関係が事実から分かる本です。賃金がOECD加盟国で30年前から伸びていないのは日本だけ。金融緩和すべき時に金融を長期に緊縮にした日銀の大罪。政府・日銀統合政府バランスシートは公開され健全である。マスコミの日銀政策解説は大ウソなのに驚きます。
 第1章 日本人なら知っておくべき日銀の基礎知識 第2章 日銀と国債の知られざる関係 第3章 国民の生活は日銀が握っている 第4章 「日銀史観」が国を滅ぼす

 

3、著述家、元国連職員 谷本真由美 『世界のニュースを日本人は何も知らない』
 (ワニブックス 2019年10月初版 本体830円+税別)

 新聞・TVではわからない世界の真実に迫る。世界各国を旅行して来た私でも、報道、常識、教養、思考、日本の評価など、世界各国の印象がガラッと変わりました。
 この本の凄さはまず手に取って、中見出しを見ること。例 ・アメリカのメディアを買収する中国 ・本当はものすごく豊かなアフリカ ・マッキンゼーの“黒いビジネス” ・EUは修羅場の町内会 ・意思決定を左右するのは「感情」 ・世界の金持ちはアートを買っている ・世界の富裕層は複数の国籍を入手する ・イギリス人、実は……借金が大好き ・ドイツは、実は欧州一のポルノ大国 ・「偏った情報」ばかりなのは誰のせい? ・なぜ日本人は「誤報」を信じやすいのか

 

4、都立大学大学院経営学専攻教授 松田千恵子 『グループ経営入門 第4版 グローバルな成長のための本社の仕事』
(税務経理協会 2021年6月第4版第2刷 本体2,500円+税別)

 先月、ある上場企業本社幹部に「コーポレートガバナンス、グループガバナンス」の講義をしました。その際に必須文献としてお薦めしたのが本書です。ご存知の通り、2019年6月に経済産業省が「グループガバナンス・ガイドライン」を公表。今年6月にコーポレートガバナンスコードが改訂され、グループガバナンスはグループ本社取締役会の責務とされ、2022年4月東証市場再編への動きも始まりました。
 日本の上場企業は子会社が多く、実際の経営はグループ単位で行われています。グループ設計、事業ポートフォーリオ、事業と財務のシナジーなどグループガバナンスの実践法が具体的です。先生は、「見極める力」「連ねる力」「束ねる力」のキーワードで解説しています。

 

5、(株)マクアケ共同創業者・取締役 坊垣佳奈 『Makuake式「売れる」の新法則』
 
(日経BP 2021年4月 本体1,600円+税別)

 弊社BIP(株)が出資する会社が5月マクアケで日本初柿の種珈琲を発売してNHKTVにも取り上げられ大きな話題になりました。「応援購入」登録以来、私のスマホには、ほぼ毎日マクアケニュースレターが届きます。驚くのは、本当に新しい製品・サービスが続々開発されていることです。
 ご存知の通り、マクアケは、“応援購入”というコンセプトの「新しいものや体験」のクウウドファンディングの会社です。最近上場もしました。なぜ、人々は“想い”にお金を払うのか? 「応援購入」の秘密を8つの新法則で説明しています。最近、海外への進出も報道されました。

 

6、多摩美術大学教授 西岡文彦 『ビジネス戦略から読む美術史』
 (新潮新書 2021年6月 本体760円+税別)

 私の美術趣味×ビジネス戦略の言葉に惹かれて読んだ。美術の歴史はイノベーションの宝庫であると教えてくれる凄い美術研究者の存在に驚いた。著者は、「美術史は、ビジネス戦略の歴史である」という。生活必需品でない美術品を売るには高度な戦略が必要だったからである。美術品を売れれば、売れない商品はない!?
 第一章 パン屋の広告だったフェルメール 第三章 リモートワークに乗り遅れたダ・ヴィンチ 第四章 レンブラントの割り勘肖像画 第七章 「ガラクタ」印象派の価値を爆上げした金ピカ額縁と猫足家具

 

7、東京大学産学協創推進本部FOUNDX及び本郷テックガレージディレクター 馬田隆明 『未来を実装する テクノロジーで社会を変革する4つの原則』
 (英治出版 2021年1月 本体2,200円+税別)

 テクノロジーの社会実装のメカニズムと方法論を提示する著書です。社会実装のツールセットもあります。世に広がるテクノロジーとそうでないものは何が違うのか。「テクノロジーの社会実装の成功者たちは、より良い未来をつくることを目的として、社会の仕組みに目を向け、人々とともにプロジェクトを進めていた。」今、必要なのは、「社会の変え方」のイノベーションだ。
 目次 1、総論―テクノロジーで未来を実装する 2、社会実装とは何か 3、成功する社会実装 4つの原則~インパクト、リスク、ガバナンス、センスメイキング

 

8、(株)パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役 安田 正 『超一流の強運力』
 (ポプラ社 2021年2月 本体1,500円+税別)

 著者累計200万部「超一流の雑談力」の著者といえばご存知の安田氏が、今回は「強運」を書いた。「誰でも確実に強運になれる!」という言葉に心が動かない方は少ないが、確信もてる方も少ないのが普通ですね。「運がいい」は、コントロールできない天から降ってくる幸運。「運」とはコントロールできるものであり、「運」を自分の方法で強くしてコントロールした結果として成功を手に入れる。強運な人の思考・行動パターンを解明する。
 著者の強運フローチャートを読んで欲しい。「夢」をもつ ->自分の「強み」を持つ ->チャレンジングプレース。「強み」を活かす場所・活動・仕事を探す ->「善意の第三者との出会い」 =>「夢」の実現

 

9、作家 橘 玲 『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』
 (幻冬舎 2021年6月 本体1,700円+税別)

 「心理学のパラダイム転換」への最初の試論である。スピリチユアル(呪術的)というのは、心理学でいう「無意識」に「魂」を重ね合わせた言葉という。現在は諸科学の成果として心理学の世界にまで来た。私たちは一人ひとり異なる複雑で陰影に富む性格(パーソナリティ)をもっているが、パーソナリティ心理学では、「ビッグファイブ」と呼ばれ、5つの要素に還元される。「外交的/内向的」「楽観的/悲観的」「協調性」「堅実性」「経験への開放性」。
 本書では8つに拡張している。「協調性」を「同調性」と「共感力」に分け、「外見」と「知能」を加えて8つの因子でパーソナリティを説明している。「わたしは何者か?」自問自答して欲しい。「自分のパーソナリティを前提にして、それがアドバンテージを持つ場所(ニッチ)を探す」ことで自分の物語を作れと本書は言う。

 

10、作家 百田直樹 『百田直樹の新・相対性理論 人生を変える時間論』
 (新潮社 2021年1月 本体1,250円+税別)

 累計2000万部というベストセラー作家百田直樹の新・相対性理論というタイトルに驚いたが、読んで納得した。人生にとっての時間論は極めて重要だ。時間の本質を多彩な角度から思考し直している。
 本書の内容紹介が難しいのでキーワードを示す。「充実した時間」こそが「長生き」の要諦。人類の発明品はすべて「楽しい時間を生み出す」ために作られた。「苦しい時間」が「楽しい時間」に変化する不思議。人間社会は「時間」の売買で成り立っている。私たちが所有しているすべて品物は「時間」を換えたものである。現代人が最も恐れるのは「退屈」である。恋愛の喜びは「時間の共有」にある。成功を望むなら「今やるべき」ことを今やる。

 

11、国際日本文化研究センター所長 井上章一、国際日本文化研究センター教授 磯田道史 『歴史のミカタ』
 (祥伝社新書 2021年7月 本体940円+税別)

 歴史が嫌いでない私にとって、画期的歴史研究者と遭遇して嬉しい。歴史の正体は「物のミカタ」だが、日本の歴史教育で惜しまれるのは、歴史のミカタを指南しないこととの指摘に共感する。歴史はどのような時に動くのか。碩学2人の対談本で読みやすい。
 第一章 歴史が動く時~家康はホトトキギスが鳴くまで待たない、黒船が開いた歴史の扉、日本人を恐れた列強、欲望のフランス革命 第二章 歴史は繰り返されるか~歴史は韻を踏む、ナポレオン神話、徳川慶喜の失敗、カール・マルクスの限界点 第三章 歴史の表と裏~中曽根康弘の嘘、田中角栄の涙、正史の裏にある性愛 第四章 日本史の特徴~土地へのこだわり、避暑地を作らない京都人、キャバ嬢を抱きしめる僧侶、世襲は弊害か 第五章 時代で変わる英雄像~関東史観と関西史観、英雄は作られる、早い段階で完成した国民管理、違うミカタとの出会い

 

12、(株)BIOTOPE代表、チーフ・ストラテジテック・デザイナー 佐宗邦威 『世界のトップデザインスクールが教えるデザイン思考の授業』
 (日経ビジネス人文庫 2020年12月 本体950円+税別)

 デザイン思考は、第4次産業革命時代の問題解決手法の一つと思います。日本におけるデザイン思考の第一人者。序文で、早稲田大学ビジネススクール入山章栄教授が推薦文を書いています。「ハイエンドな「デザイン思考」を実践的に、しかも完璧にまとめた本書はビジネスパーソンこそ読むべきだ!!」。山口周氏との対談も掲載しています。
 本書は8つの授業から成ります。 0 概論 1 思考法 2 マインドセット 3 プロセス 4 ツールと環境 5 キャリア 6 経営戦略 7 幸福

 

13、経営共創基盤(IGPI)シニア・エグゼクティブ・フェロー、東京大学未来ビジョン研究センター客員教授 西山圭太 『DXの思考法 日本経済復活への最強戦略』
 (文藝春秋 2021年4月 本体1,500円+税別)

 私は「第2、第3の成長」の為、BX(ビジネスモデル・トランスフォーメーション)、CX(コーポレート・トランスフォーメーション)、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を企業にアドバイスしている。西山氏は、BXと同じ視野だが更に広い産業変革という概念でIX(インダストリアル・トランスフォーメーション)を展開しています。
 本書は、「IX時代の地図のようなものを描くこと」が目的である。 第1章 デジタル時代の歩き方 第2章 抽象化の破壊力―上がってから下がる 第3章 レイヤーがコンピュータと人間の距離を縮める 第4章 デジタル化の白地図を描く 第5章 本屋にない本を探す 第6章 第4次産業革命とは万能工場をつくることだ 第7章 アーキテクチャを武器にする 第8章 政府はサンドイッチのようになる 第9章 トランスフォーメーションの時代

 

14、(株)シナモン執行役員・フューチャリスト 堀田創、IT批評家 尾原和啓 『ダブルハーベスト -勝ち続ける仕組みをつくるAI時代の戦略デザイン』
 (ダイヤモンド 2021年4月 本体2,200円+税別)

 AI/DX時代に企業の持続的な競争優位性を高めるために何が必要なのか?から始まった2人が到達した戦略フレームワークである。最後に、パーパス、ハーベスト・ループ、UXの三項関係の説明もあります。
 1 AIと人とのコラボレーション 2 AIで何を実現するかを見極める 3 戦略基盤を競争優位に変換する 4 データを収穫するループをつくる 5 多重ループを回して圧勝する 6 ハーベストストーリーを実装する

 

15、監修者 致知出版社代表取締役社長兼編集長 藤尾秀昭 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』 
 (致知出版 2020年11月 本体2,350円+税別)

 画期的本が誕生した。2020年ブログ年間ランキング第1位。140万人のレビューアーに選ばれた一冊。発売即25万部突破と座右の必携書になりつつある。雑誌『致知』42年の歴史に登場した人生で真剣勝負した実に多彩な365人の言葉を収録した画期的な本です。貴方の心に響く言葉がみつかると思います。
 稲盛和夫、平尾誠二、王貞治、小田真弓、山中伸弥、安藤忠雄、夏井いつき、白川静、コシノジュンコ、張富士夫、中田久美、三浦雄一郎、志村ふくみ、三浦綾子、井村雅代、野中郁次郎、堀文子、古森重隆、宇野千代、黒柳徹子、曽野綾子、千玄室、大村智、北方謙三、佐藤愛子、稲尾和久、フジコ・ヘミング、松岡修造、坂東玉三郎、淡谷のり子、江崎玲於奈、中村桂子、相田みつお、ガッツ石松、山本富士子、田中真澄、片岡球子、隈研吾、堺屋太一、東城百合子、平山郁夫、羽生善治、森信三など365名である。敬称略

以上

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thumbnail_sasaki佐々木 昭美(ささき あきよし)

取締役会長 総合研究所所長

経営コンサルタント(経営改善、事業開発、ビジネスモデル、 人事戦略、IPO、M&A、社外取締役)

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