佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション

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2011/04/25 ツイッターから生まれた最新本 『大前研一 洞察力の原点 プロフェッショナルに贈る言葉』

 大前研一氏は、皆様よくご存じの通り、国際的経営コンサルタントであり、ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学院大学の学長である。既に100冊を超える著作があり、お読みになった方も多いと思います。

 本書は、大前氏の過去の著作から選び出した、プロフェッショナルへのメッセージ集です。

 私がこの本に興味を持ったのは、ツイッターから生まれた本であることです。ビジネス・ブレークスルーのスタッフが2010年3月より開始したツイッター「大前研一BOT(ohmaebot)」が本書の原点です。(「大前研一BOT(ohmaebot)」:http://twitter.com/#!/ohmaebot

 「ツイッターなどのサイバー社会では反応がリアルタイムに把握できる。そこで、本書は「ohmaebot」の反応をふまえて私の著作から収録候補の言葉をピックアップした。そのうえで、私の思いを網羅的に結集する形で体形的に整理した。掲載した言葉はオリジナルのままである。」(参考文献1)
 
 私も2月11日よりツイッターを始めて2ケ月半、毎日ツイートしながら、ソーシャルメディアの可能性を日々体験している最中です。Twitter ID は  bipsasaki です。是非、アクセスしてみて下さい。
参考資料

(1)大前氏の思考回路に焼きつけた言葉

 大前氏は本書序文で、とりわけ強い影響を受けたのは、マサチューセッツ工科大学(MIT)の大学院に留学していたとき、一人の教授が発した言葉であったと紹介しています。

「ある日、その教授は私を研究室に招き入れ、1つの課題を提示して、私の考え方を聞きたいと言った。私が「図書館で調べてきます」と答えると、教授は「だめだ」と怒鳴り、こう続けた。

“この黒板を使って、自分で考えてみなさい。いまこの研究室にいる君と私がこの問題を解けなかったら、解けるものはほかにだれもいない。君も私も原理は知っている。いちばんうまくいきそうなやり方も心得ている。よそ見する必要はない。一人で解いてみようじゃないか。チョークはここにあるよ。”(拙著『ボーダレス・ワールド』より)・・(略)・・

 教授の言葉が耳に届いた瞬間、私はとまどいを隠せなかった。しかし冷静に考えれば私の思いと一致する忠告である。だから私はこの言葉をしっかりと自分の思考回路に焼きつけた。言った側の教授には当たり前のアドバイスであったかもしれない。しかし、受け止めた側の私にとっては、神の啓示にも等しく聞こえたのである。」(参考文献1)

 大前氏は、何よりも重要なのは、絶対に「思考停止」に陥らないようにすることを力説している。ビジネスに必須である「自分の頭で考えること」を習慣化することによって飛躍的な進歩が生まれる。

(2)佐々木が赤ペンで線を引いた言葉

 私は数年前から、本はノートと考えて、4色ボールペンで気づいた箇所に線を引く。青色は重要な事実、緑色はユニークな視点や解釈、赤色は著作の真髄や結論というおおよその区分である。本書で私が赤色の線を引いた言葉の中から5つを紹介します。

①分からない状態に耐える
「何が正しいか分からないという状態に平然と耐え、チャレンジした先にこそ答えがある。自分だけでなく、誰も答えが分からない物事に対して、自分で仮設を立てて立証していく「勇気」と「しつこさ」を持つ・・・。これが21世紀を勝ち残るうえで、個人にも集団にも必要な能力だ。」『大前の頭脳』

②いやだと思った事
「瞬間的にいやだと思った事でも、本気でやってみると面白いと思うことが、世の中にはたくさんあるものです。それを、表面的に感じただけで「あれはいやだ」「これはいやだ」と言ってるから、やることが何もなくなってしまうのです。」『Voice』2002年5月号

③専門を狭くしない
「メシを食える専門分野というのは時々刻々変わるので、人間国宝や博物館入りが目的でないかぎり、専門を狭く捉えたり、あまり深追いしたりせず、いつも景色を見えるようにしておく必要がある。」『遊び心』

④人間が変わる三つの方法
「人間が変わる方法は三つしかない。一つは時間配分を変える、二番目は住む場所を変える、三番目は付き合う人を変える。この三つの要素でしか人間は変わらない。もっとも無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。」『プレジデント』2005年1月17日号

⑤唯一のツール
「私の唯一のツールは「なぜか」である。同じ商品なのに、売れるセールスマンとそうでない人間がいるのは「なぜ」だろう。東京で売れて、大阪で売れないのは「どうして」だろうう。そういうことをいつも考えていると、答えは見えてくる。」『ニュービジネス活眼塾』

ツイッターの制約である140文字以内という言葉が、簡潔ながら、大変味わい深い表現ができることの見本を見ました。ツイッターで発信する仲間として大変励みになりました。

以上

(参考文献)
1.大前研一『大前研一 洞察力の原点 プロフェッショナルに贈る言葉』 (日経BP社 2011年2月28日 第一版第一刷)

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thumbnail_sasaki佐々木 昭美(ささき あきよし)

取締役会長 総合研究所所長

経営コンサルタント(経営改善、事業開発、ビジネスモデル、 人事戦略、IPO、M&A、社外取締役)

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