佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション

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2011/07/25 親子3代で楽しめる「都営交通100周年記念特別展 『東京の交通100年博』」(江戸東京博物館)

今年の8月1日、東京都交通局が創業100周年を迎えます。東京都交通局の前身東京市電気局が、1911年(明治44年)8月1日に開局し、路面電車事業と電気供給事業を開始しました。意外かもしれませんが、東京都は今でも3つの発電所で電力供給しています(多摩川第一発電所、白丸発電所、多摩川第三発電所)。

記念特別展「東京の交通100年博~都電・バス・地下鉄の“いま・むかし”」(7月14日~9月10日)が両国の江戸東京博物館で開催されています。内覧会に参加させて頂き、楽しく100年を振り返るひとときを過ごしました。

「都電の実物車両はじめ、約700点もの貴重な資料を展示する。明治、大正から昭和の高度成長期を経て現代まで、東京の発展を支えてきた交通の歴史を親子3代で楽しく学べる絶好の機会だ。」(讀賣新聞7月13日朝刊)という紹介通りに楽しい展示物で一杯でした。多くのプラモデルなども販売しています。

今回、公式に画像をお借りし、その一部を皆様にご覧頂きたいと思います。是非ご家族で「東京の交通100年博~都電・バス・地下鉄の“いま・むかし”」(7月14日~9月10日)を訪れることをお薦め致します。
参考資料

(1)映画「ALWAYS 三丁目の夕日‘64」の再現セットで都電6000形実物車両展示

参考資料
画像:「都電6086号車」 実車

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江戸東京博物館駐車場内の特設会場は是非見て下さい。6000形は昭和24年製造で、都電黄金時代を支えた主力車両です。私も実際に電車に乗って当時の雰囲気に浸りました。

「6000形については、来年予定の映画「ALWAYS 三丁目の夕日‘64」とのコラボレーション展示も注目される。実際に映画の撮影に使われたオープンセットの一部を特設会場に移設。撮影スタッフの監修の下、「夕日町郵便局」や新聞販売店、「鈴木オート」の看板がかかったレトロな木製の塀などが、6000形の背景に配される。」(参考文献3)

(2)東京路面交通のはじまりは馬車鉄道~開通した明治15年当時の銀座4丁目風景画

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画像左:三代歌川広重「東京名所之内 銀座通煉瓦造鉄道馬車往復図」大判錦絵3枚続 明治15年(1882)江戸東京博物館所蔵

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画像:「銀座四丁目を走る都電」 写真 昭和42年頃撮影 東京都交通局所蔵

1882年(明治15年)、民間経営の東京馬車鉄道が新橋-日本橋間に馬車鉄道が開業しました。イギリスから輸入した軌道上の馬車を2頭の馬が牽くというものだったそうです。これが都電の遠いルーツといえます。

三代目歌川広重が開通した明治15年当時の銀座4丁目を描いた絵図が見られます。
都電最盛期の昭和42年頃に銀座4丁目を走る都電写真を並べてみました。味わい深いですね。

馬車鉄道は、明治36年に電化され、電車が走り始めました。その後3社になった鉄道会社が解散し、新会社として東京鉄道株式会社が1906年(明治39年)設立されました。

(3)旧東京市電ヨヘロ展示に出会えます~現在も函館で除雪車として活躍中

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画像:「函館市電除雪車両(ササラ電車)」 実車

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画像左:「旧東京市電ヨヘロ1形」実物大モックアップ(イラストイメージ)
画像右:「旧東京市電ヨヘロ1形」実物大モックアップ

1911年(明治44年)8月1日、今からちょうど100年前に東京鉄道は東京市営となり、東京市電気局としてスタートしました。運賃は4銭、コーヒー一杯が3銭でした。「都営交通」のはじまりですね。

この時代に造られたヨヘロという形式の電車は、昭和の初めに函館に移って市内電車として活躍。その後、除雪車として改造され今も元気に活躍されているそうです。私は、北海道に住んでいたこともあり、函館の除雪車を再び実際に見ることができて感慨を覚えました。

今回は、往時の姿を忠実に再現した実物大ハーフカット模型も展示されています。

都営交通の元車両の一部は譲渡され、日本全国と世界で活躍しています。上記の函館以外にも、豊橋、長崎、秩父、熊本で活躍中です。海外でも、インドネシアでは元三田線6000形がジャカルタ近郊で活躍しています。津波被害のスリランカには都バス177台を無償で譲渡し、コロンボで走行しているそうです。

(4)都バスの元祖「円太郎バス」~関東大震災後に市電の代替えとして米国フォード社より購入

参考資料
画像:「旧東京市営バス(円太郎バス)」 実車 大正12年(1923) 鉄道博物館所蔵

今回の展示では、「円太郎バス」も展示されています。

乗合バス事業の契機は、1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災でした。市電が被害を受けたため、東京市は市電の代わりとして乗合バスを始めました。急遽米国フォード社から自動車を購入し、11人乗りのバスとして整備。1924年(大正13年)1月18日から巣鴨-東京駅間と中渋谷-東京駅間で運行が始まったそうです。運賃は一区10銭。

明治期に乗り合い馬車が「円太郎馬車」と呼ばれていたが、その馬車にこのバスが似ていたため「円太郎バス」と呼ばれるようになったと言われているそうです。

(5)都営地下鉄の開業~浅草線(1960年)、三田線(1968年)、新宿線(1978年)、大江戸線(1991年)

参考資料
画像:「都営地下鉄三田線開業ポスター」昭和51年(1976)東京都交通局所蔵

東京の地下鉄は、東京地下鉄道によって1927年(昭和2年)に浅草-上野間の銀座線開通が最初で、アジア初の地下鉄でした。

東京市は1925年(大正14年)に地下鉄4路線建設の免許を取りました。しかし、第二次世界大戦中に地下鉄事業を行う会社の統合が進められ、東京市の免許は1941年(昭和16年)に設立された帝都高速度交通営団(現東京メトロ)にすべて譲り渡しました。

戦後、営団は丸の内線(1951年)、日比谷線(1959年)、東西線(1962年)の着工を開始します。

その後、営団以外の事業者にも東京に地下鉄が建設できるように制度が見直されます。都営地下鉄は、
浅草線(1960年)、三田線(1968年)、新宿線(1978年)、大江戸線(1991年)と順次開業していきました。

(6)「記念車」模型、「電車系統版」、「乗務員用 鞄」、「乗車券用 パンチ」など実物一杯

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画像左:「記念車」模型(縮尺1/10)平成元年(1989)製作 東京都交通局所蔵
画像右:「日野ディーゼルバス」 模型 昭和20~30年代製作 東京都交通局所蔵

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画像:「系統板」昭和30~40年代 東京都交通局所蔵

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画像:「乗務員用 鞄」、「乗車券用 パンチ」昭和30年代頃 東京都交通局所蔵

電車・バスなど色々の車両模型が展示されています。ミュージアムショップでは多彩なプラモデルが販売されていました。子供も大人も楽しめますよ。

都電の運転系統を示す系統版が一面に展示されています。戦後は数字だけの表示だけでしたが、1955年(昭和30年)4月から一斉に広告の入ったカラフルなものに変更されました。皆様、よくご存じの企業や商品が目につくと思います。

昔は「乗車券」の時代でしたね。多様な「乗車券」と共に、昭和30年代頃の「乗務員用 鞄」「乗車券用 パンチ」等が展示され、懐かしさを覚える方も多いと思います。

今回の記念特別展は、東京の交通100年の歩みを気軽に振り返ることを通じて、学びと楽しみをたくさんもらいました。夏休み、親子3代がそろって楽しく集う良い機会になると信じています。

(7)東京地下鉄の未来~作家・東京都副知事 猪瀬直樹 著『地下鉄は誰のものか』を読んで

参考資料

東京の地下鉄の乗客数は一日866万人で世界第1位。第二位のモスクワは705万人。第三位のソウルは591万人。ニューヨークは第四位で445万人です。

東京の地下鉄は、2つの事業体が運営しています。東京メトロと呼ばれる東京地下鉄株式会社が9路線、東京都交通局が運営している都営地下鉄が4路線です。

両者共に、地下鉄の新線建設は終了したと言っています。

作家で東京都副知事の猪瀬直樹氏は、東京の地下鉄の未来について、利便性の向上、運賃の適正化、公共交通のあり方から考えて、2つの事業体を一つに統合、つまり一元化を主張しています。

地下鉄をめぐる歴史を詳細に調査分析し、東京メトロと都営交通の経営実態を公にした本書の意義は大きいと思いました。”公共交通の未来とは”を、つまり利用者のために何ができるかを2010年初めて利用者が参加する場で協議する場が出来たことも知りました。

それは、大きな闘いであることも知りました。

以上

都営交通100周年記念特別展
「東京の交通100年博~都電・バス・地下鉄の“いま・むかし”~」


会期:平成23年7月14日(木)~9月10日(土)
※東日本大震災の影響で、当初予定していた会期(6月21日~8月28日)から変更となりました。

会場:江戸東京博物館 1階展示室 (東京都墨田区横網1-4-1)
・都営地下鉄大江戸線「両国駅(江戸東京博物館前)」A4出口、徒歩1分
・都バス:錦 27 ・両 28 ・門 33 ・墨 38 系統
「都営両国駅前(江戸東京博物館前)下車、徒歩3分」 *「両国駅」とは別の停留所です。
・JR 総武線 両国駅西口下車、徒歩3分

開館時間:午前9時30分~午後5時30分
(土曜日は午後7時30分まで ) ※入館は閉館の30分前まで
*開館時間は、今後の節電等の状況によって変更する可能性があります。
ご来館の際は江戸東京博物館ホームページ等でご確認ください。

休館日:8月1日(月)、8日(月)、22日(月)は休館

主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、読売新聞社、東京都交通局
江戸東京博物館WEBサイト:http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/

(参考文献)
1.東京都交通局『都営交通100年のあゆみ』(平成23年7月)
2.東京都交通局「東京の交通100年博~都電・バス・地下鉄の“いま・むかし”」パンフレット
3.讀賣新聞 平成23年7月13日号 朝刊
4.猪瀬直樹『地下鉄は誰のものか』(ちくま新書 2011年2月 第一刷)

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thumbnail_sasaki佐々木 昭美(ささき あきよし)

取締役会長 総合研究所所長

経営コンサルタント(経営改善、事業開発、ビジネスモデル、 人事戦略、IPO、M&A、社外取締役)

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