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2010/03/01 第2話「PMOの役割」

 PMO。大規模なプロジェクトでは、10年程前からその存在を重視され、今や当然のように設置されるケースが多くなりましたね。PMO(Project Management Office)はその名の通り、管轄するプロジェクトを集中的に調整するために、さまざまなマネジメント活動の責任が割り当てられた組織体です。(PMBOKガイドより)

でも、PMOって一体何なのでしょう?
私はこれまで何社かPMOという立場でプロジェクトに参画してきましたが、この問いの答えはプロジェクトによっていろいろでした。ある時は、プロジェクト計画からリソースや進捗の管理、成果物自体の品質に責任を負う場合もあります。ある時は、プロジェクトマネージャーが計画を遂行できるよう裏方でメンバーやいろんな組織に対して協力や理解を求めるネゴシエーター的役割に徹することもあります。プロジェクトのリスク分析をして危険な方向に進まないように常に監視しつづけるだけの役割の時もあります。プロジェクトが円滑にあるべき方向に進むために、あらゆるところに目と気を配り、人を分析し、タイミングを見極め、柔軟に隙間を埋める。これがPMOの存在価値だと私は思います。しかし、こういう存在は、今の大規模システム開発プロジェクトに不足している人材のような気がします。

数年前、ある会社のシステム構築プロジェクトで、1年以上たっているのにシステムの形が見えてこないから手を貸してほしいと依頼を受けたことがありました。依頼者である彼らは、どんなシステムが出来上がるのか今となっては難しいIT用語ばかりでどうしていいかわからないと焦るばかり。かたや開発会社は、持ち合わせた技術の最たるものを取り入れ、至れり尽くせりのシステム開発に命を燃やしている、まるで難しいプラモデルを美しく作り上げることに熱中しているようにしか見えませんでした。聞いてもわからない、言ってもわからないというお互いの気持ちから来る曖昧な会話が、無駄な時間とコストと精神的疲労を生み出しているだけでした。どちらも、企業はシステムを使うのではなく、システムで作りだす情報を使うのであり、あらたに生み出された時間を活用するのだという本来の目的を取り違え、自身の役割を認識していなかったのです。

こんな時、PMOはまず何をすればいいと思いますか?中立の立場で両社の間に入り、第三者の意見としてそれを気付かせてあげることです。もちろん簡単なことではありません。限られた時間の中で、いかに手を打ち結果を導くか、それがPMOのスキルだと思います。

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