佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション

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2008/04/15 ビジネスリーダーへの贈りもの-“勉強99創造1”

日本企業の多くが、4月より新事業年度が始まった。同時に多くの新しいリーダーが誕生し、他部門に異動になったリーダーも多いと思われる。
私自身が3-4月に読んだ、リーダーが学び、役に立つと思われる最新の本・雑誌の一部を紹介したい。

(1) 仕事で成果をあげるドラッガーの95の方法を学ぶ
  (P.F.ドラッガー、ジョゼフ.A.マチャレロ著、上田惇生訳『プロフェショナルの原点』ダイヤモンド社2008年2月)
 ドラッガーの著作は多いが、組織のマネジメントを担うリーダーにとって大切な重要ポイントを過去の著作より編集した好著であると思う。短文中心で読みやすく、自分の興味からページを開けば良い。

第1章 成果をあげる能力は習得できる
第2章 汝の時間を知れ
第3章 いかなる貢献ができるか
第4章 強みを生かす
第5章 最も重要なことに集中する
第6章 意志決定を的確に行う
結論  成果をあげる能力は習得しなければならない

(2) 他社の生きた事例、注目の経営者、世界経済の最新動向、トピックスなどを学ぶ
 (日経BP社 週刊『日経ビジネス』)
 日経ビジネスは、リーダーに役立つビジネス雑誌として愛読している。2008年4月7日号で、私が注目した記事を例として紹介します。

○ 有訓無訓 竹中登一アステラス製薬共同会長、東京大学大学院特任教授
「創薬も経営も要は同じ。人が通らない道を選ぶ」
毎週、経営者の長期的な視点による考え方や成功した経験など学ぶことが多い。
○ 深層スペシャル シャープ・片山社長インタビュー
「“液晶一本足”と決別」
個別企業の突っ込んだ取材とトップインタビューは読ませますね。
○時流超流  第1生命経済研究所経済調査部主席エコノミス 熊野英生
 「国の経済と連動しにくい企業業績」
  日本のトップエコノミストのマクロ経済分析が学べます。
○特集 ニッポン再起動  地力を信じろ
  毎週、特集テーマに基づいて各社の生きた事例を紹介しています。
4月7日号 島津製作所、松下電器産業、ホンダ、神鋼電機、ウイルコムなど

(3) ビジネスモデルの王道の復権と21世紀型創造への思いを学ぶ
  (寺本義也、岩崎尚人、近藤正浩『ビジネスモデル革命第2版』生産性出版2007年5月)
 簡単に読めてわかりやすい。皆さんがよく知っているグーグル、ミクシー、アップル、サトー、JR東日本、セコムを事例に説明している。

○6つのビジネスモデル・イノベーションのコンセプト分析事例
グーグル  無料経済と有料経済との連結による集合知の活用
ミクシー  クローズでオープンな社会的関係資本の構築
アップル  パートナー企業、ユーザーを巻き込んだ共進化
サトー   俊敏な知の共有化と活用に基づく戦略即応性の実現
JR東日本 地域社会との協働による社会品質の革新
セコム   顧客ターゲットの深耕と拡大によるCSRの追究

  何故、ビジネスモデル・イノベーションが大切であるか。市場構造、競争構造、技術構造、制度構造の経営環境変化が背景にあるという。
  ビジネスモデルとは何か。ビジネスモデルの全体構造と4つのサブシテム及び
 ビジネスモデルの進化プロセス・21世紀型イノベーションを探る。

(4) 政治、マクロ経済の不透明に惑わされず、イノベーションの重要性を学ぶ
(黒川 清 『イノベーション思考法』PHP新書 2008年3月)
 米国で長く医学部教授として活躍し、内閣特別顧問として安倍前総理のミッションであった「イノベーション25」会議の座長を務めた黒川教授の日本を愛する率直な思いが切々と伝わってくる。

第1章 グローバル時代に何が起きているか
第2章 イノベーションは繰り返される
第3章 「出る杭」になることを怖れるな
第4章 何がイノベーションを妨げるのか
第5章 イノベーションを起こすための20の心得

 (5)「考えること」と「実行すること」に役立つ道具を学ぶ
  (森時彦、ファシリテーターの道具研究会 『図でわかる!すぐに役立つ!ファシリテーターの道具箱』 ダイヤモンド社 2008年3月)
他の部門、他の会社とプロジェクトで仕事する機会が多くなっている。リーダーは、タテ型の組織運営と同時にヨコ型の組織運営の能力が必要になっています。組織の明るく楽しい問題解決のためにファシリテーターの役割とそのツールの習得に役立つ本である。図を中心に2ページ単位で、組織の問題解決に使えるパワーツール49。

序章  社内プロセスコンサルタントになろう!
第1章 これだけは身につけたい道具8
第2章 シンプルに考えるための道具13
第3章 愉快にロジカルに進める道具16
第4章 実行力を高める道具12

この本の良い所は、実行力の道具を用意したことです。PLANの手法紹介の本が多い中で、実践、継続の困難さと大切さを理解しているからでしょうね。“困ったとき、一冊あると便利”が売りである。


以上5冊を“リーダーへの贈りもの”として紹介しました。参考になれば幸いです。 
組織の盛衰は、環境の変化とリーダーの資質・実行能力で決まると言われます。
“マネジメントの父”ドラッガーの「マネジメント論の中核にあるのは仕事である。仕事ができなければ世の中への貢献はありえない。自己実現もありえない。」(訳者 上田惇生)

リーダーは、仕事を通じて成長していきます。
私も、天才エジソンの格言“勉強99創造1”を心に刻み、学び続けたいと思います。
 (注 勉強とは、調査研究と実践体験の両方を含んだ言葉として使っています。)

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