佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション

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2008/12/15 100年の智恵は、いくつか見つかりましたか?

――2008年の振り返りと2009年改善計画を考える(2)個人編――

 2008年の振り返り(2)個人編は、100年の視野で考えてみたい。個人の振り返りの手法は人類数千年の記録上も多様であり、私流の2008年勝手版でお許し願いたい。

今年のBIエッセイは、新春に100年・1000年の智恵を学ぶシリーズで始めた。個人の明るい人生をじっくり考えるには、100年の単位は必要という自然な感覚があった。また、数十億人の一体経済、環境問題、少子高齢化、サブプライムに始まった金融危機等地球規模の大きな事態が起きており、地球の明るい未来を考えるにはやはり100年以上の視野が必須との意識があったと思われる。“100年の智恵”という言葉は1年間継続するキーワードになった。自分でも驚いている。皆さんは、1年間でどんな智恵をみつけましたか?

(1)永遠に紡ぐ家族の絆に乾杯!

TV番組のタイトルを真似た訳ではないが、明るい言葉の中に深い意味を感じている。

今年は、NHK大河ドラマ『篤姫』が高視聴率でブレークした。20~30代の若い女性の関心も高かったようだ。女性の凜とした生き方に感銘し、強い女に拍手する気持ちもあるが、家族が大きなテーマであったと思う。徳川家の家族を守る命をかけた戦いに涙するのは、私のような父親世代だけではないと思う。100数十年前、家族の価値を守り通した『篤姫』に乾杯!今や、徳川家、西郷家始めどの家族も日本の家族であり、日本の財産である。数年間、立派な後継と一緒に仕事をする機会を得たのも光栄である。

11月28日に父が急逝した。享年91歳である。実家の宮城県から離れていたこともあり、昨年夏の母に続き、両親は一言も言葉をかわすことなく去っていった。人生の無常を2年続けて味わった。私が、この時代に現世の喜怒哀楽を体験できるのも両親のお陰である。父は、7年間軍人として日本のために働いた。戦後の極貧から、米作を中心に養豚、野菜、植栽と多角化しながら猛烈に働き、我々4人兄弟全員を大学卒業させた。統計調査員52年、消防、税務、寺奉仕等地域貢献し、藍綬褒章を受賞し、現世の功徳の大切を目の前で教えてくれた。いつも明るく笑顔の両親の暖かいがさぞ厳しかっただろう人生に感謝し、乾杯!

*関連BIエッセイ*
2008年3月3日号「雛祭り-NHKTVドラマ 宮﨑あおい主演『篤姫』人気を探る」(詳細はこちら>>
2008年10月14日号「TV『篤姫』が“尚五郎さん”と呼んだ、『龍馬を超えた男 小松帯刀』」(詳細はこちら>>

(2)100年の風雪に耐える明るい人生を送る職業形成と家計学

明るい人生にお金は大事である。100年に一度といわれる金融危機、経済危機といわれる今年は、お金のことを真剣に考える良い機会でもある。個人も、企業も同じく、収入と支出のライフサイクルマネジメントを100年にわたって成功させる事に尽きる。家長は、家計のトップマネジメントでもある。

まず収入が必要である。収入のためには、教育投資が必要である。民間企業への就職、農業、自営業、コック、職人、起業、プロスポーツ、タレント、歌手、作家、芸術家など職業に貴賎はない。また、日本だけでなく、世界が人生のフィールドである幸せな時代である。職業形成(キャリアデザイン)への自己投資と選択が、収入を大きく左右する。途中で道を大きく、或いは一部修正・変更する機会もこの20年で大きく変わった。私自身、43歳で転職し、50代後半に起業した。私の20~30歳代はほとんど転職という言葉は、ネガテイブな印象であった。就職した大企業が永遠である保障はないことは今や常識である。大学までは、両親が教育投資してくれた。職業人となって以後の私は、給料の10%以上を自己投資に使った時も多い。今も、その習慣は続いている。

次は、蓄積である。貯蓄と言っても良い。年収の25~30%を蓄積する。残りで生活することは、ほとんどの方がやろうと思えばできる時代である。明治時代に実践した有名な先達の本もある。まず、2年分の生活費をすぐ仕える貯金・MMF等現金相当で持っていることが大事である。病気、離職等でも、落ち着いて次の歩みを始めるまでには2年分は最低必要である。家族を持ち月40万の生活費であれば、2年分で960万、約1000万円をまず蓄積すべきである。次に、子供達の教育費、引退後の生活資金に蓄積する。運用の勉強を始める前に、まず職業持ったら、すぐ蓄積を始めることがポイントである。時間が味方である。公的年金支給年齢が60歳から65歳への引き上げを想定し、15年前の前職時代に会社の福利厚生として5%補助する個人年金の制度を導入した。今、シニア起業の生みの苦しみを少し和らげてくれている。

*関連BIエッセイ*
2008年10月20日号「明るく元気な家庭を築く家長(かちょう)必携の家計学指南」(詳細はこちら>>

(3)引き上げてくれる偶然の縁(出逢い)を大切に

 一生の間に何人の方々と出会うのだろうか。前職時代15年間の名刺は、およそ1万人前後であった。1年間平均で数百人と思われる。その中で、BIP設立時に挨拶状を出した方は数百人でした。昨年BIP設立後の2年間で数百人の方々とお会いしました。皆様も、数えてみてはいかがでしょうか。

 私は、先輩のお話や本・雑誌・新聞のエッセイ・自伝など理論でなく生きた人間の泥臭い体験から生き方を学ぶことが多い。初等・中等・高等教育で、人生論・とりわけ人物論を戦後廃止・縮小した弊害は大きい。私の大学生時代には、まだ青臭い人生論議は当然の風潮であった。目標とする人物の存在は、人生の支えではないでしょうか。皆様の目標の人物は誰でしょうか。本の上での出逢いは、人生の縁の一つであると思う。

 また、人との出逢いで人生が大きく転換する体験を皆様も実感しているでしょう。人生とは「一引、二運、三力」。定期購読している人間学を学ぶ月刊誌「致知」2007年7月号に書かれた社会教育家田中真澄氏の言葉である。

「どんなに腕があっても、まずは「あなたを使ってあげる」と、人様に引っ張り上げてもらえる機会を得なければ、永遠に能力を発揮することはできません。そういう”引き”の機会をどうつくるか、それが人生の勝負です。」

 全く当たり前の真実に、頷くしかない。では、どうしたら「引き」が得られるのか。その一番のポイントが、「積極的に生きる姿勢」「情熱」だと教えています。田中氏の情熱人生の三要素は、「早起き」「笑顔」「目標」です。私は「笑顔」「夢」をモットーにしている。近いように思うが、実践力に天と地の差があるようだ。一歩でも近づこうと思う。なぜなら、成功者ほど前向きに燃える人間であり、自分と同じように必死に生きる姿に共鳴共感して「おまえ、なかなかいいじゃないか」とチャンスをくれる、ということだからだ。人生の成功は、知識やテクニックより心がけや生活習慣が重要だと諭してくれる。

*関連BIエッセイ*
2007年8月2日号「大先輩に学ぶ情熱の力」(詳細はこちら>>
 以上

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