佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション

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2014/01/15 2014年は、国際浮世絵学会創立50周年記念 「大浮世絵展」で笑顔一杯のスタートを!

正月4日、JR及び地下鉄大江戸線両国駅に隣接する江戸東京博物館で開催している国際浮世絵学会創立50周年記念「大浮世絵展」(1/2~3/2)は大変な賑わいでした。入場券購入に何重もの列に並ぶ。若いカップル、熟年のカップル、外国人のカップルの多さにビックリした次第です。

大人気の理由には、2つあると思います。

第1は、やはり空前の規模の「浮世絵」名品を国内外から網羅した「大浮世絵展」であること。いまや「浮世絵」は、日本が世界に誇る芸術ですよね。

第2は、何よりも「浮世絵」の持つ楽しさだと思います。「浮世絵」は、当時最新流行の風俗・風景を描いた肉筆画や版画。「浮世絵」は、当時の庶民にとって楽しみ満載のものでした。江戸のポップカルチャーともいえますね。だから、現代の私たちにも素直に共感できる笑いや楽しみを伝えているのだと思います。

浮世絵10枚を通して私なりのご紹介を致しますので、是非、江戸東京博物館「大浮世絵展」に実際に足を運び、大いに笑い、楽しんで頂きたいと思います。

 

 

(1)浮世絵の国際性を知る――「世界で一番有名な作品は、<<モナリザ>>か<<Great Wave(大波)>>ですね」

葛飾北斎<冨獄三十六景 神奈川沖浪裏>

*葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」大判錦絵天保2 年(1831)頃 東京都江戸東京博物館蔵 展示期間:1/2(木)~2/2(日)

世界一有名な浮世絵 【葛飾北斎<冨獄三十六景 神奈川沖浪裏>】をじっくり観ました。そして、驚くような言葉に出会いました。

名古屋市博物館副館長神谷浩氏の図録小論「浮世絵を楽しむために」に出てくる北斎の国際性を語る文章を何度も反芻した。

「西洋人が引きつけられたのは北斎の素描だけではなく、その大胆な造形にあることも間違いないであろう。現実に欧米でこう言われたことがある「世界で一番有名な作品は、<<モナリザ>>か<<Great Wave(大波)>>ですね」と。日本美術を専攻する人物への社交辞令として相当割り引いても、2度にわたって、別の人から言われると、その気にもなる。・・(略)・・それにしても、この作品がここまで海外の人に知られているとは、知らないのは日本人かもしれない。・・(略)・・ミレニアムを記念して1999年にアメリカの『ライフ』誌が行ったアンケート「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」で日本人としてはただ一人選ばれたのが北斎である。」(参考文献1)

 

この文を読んで私がすぐ思い出したのは、昨年に夏私が訪ねたパリ近郊クロード・モネの庭園と邸宅です。日本風の庭園と共に邸宅に飾られている膨大な浮世絵の事です。

今回、浮世絵がゴッホ始め西洋の画家や音楽家ドビッシィーに大きな影響を与えていることを改めて知り、日本美術への誇りを感じながらの新年の門出となりました。

 

(2)浮世絵の現代性を感じる――「浮世絵」は江戸のポップカルチャー

歌川国政 <市川鰕蔵の碓井荒太郎定光>

*歌川国政「市川鰕蔵の碓井の荒太郎定光」大判錦絵 寛政8年(1796)  東京国立博物館蔵 Image:TNM Image Archives  展示期間:2/4(火)~16(日)

雑誌『PEN』2014年新年合併号が「浮世絵の正体-江戸の街に咲き誇ったポップカルチャー」を特集。その表紙を飾る、役者絵 【歌川国政 <市川鰕蔵の碓井荒太郎定光>】も観ることができます。美人画が江戸のいい女を描くものであるなら、いい男は役者絵として描かれたのかも。

「浮世絵とは、江戸庶民の最高の娯楽である。美しい遊女や歌舞伎役者の姿に憧れ夢を見て、富士の勇壮な景色に旅気分は盛り上がり、お洒落のセンスは遊女や茶屋娘から盗む・・(略)・・。挙げればきりがないほどに、浮世絵をいう存在は江戸庶民の暮らしを彩るポップカルチャーであった。・・(略)・・軽妙洒脱な江戸人の暮らしが生き生きと蘇る!」(参考文献3)

 

(3)“浮世絵の教科書”を観る――国際浮世絵学会50周年記念江戸東京博物館開館20周年記念 特別展 「大浮世絵展」

国際浮世絵学会50周年を記念して、菱川師宣、鈴木春信、東洲斎写楽、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳、月岡芳年、小林清親、川瀬巳水らはもとより、江戸時代初期より明治時代までの浮世絵の通史を通覧できる文字通り空前の「大浮世絵展」なのです。大英博物館、ベルリン国立アジア美術館、シカゴ美術館、ホノルル美術館と国内諸機関・個人より約440(東京会場では計340点展示)点が揃いました。

 

【国宝<風俗画(彦根屏風) ~浮世絵前夜の近世初期風俗画 】

*国宝「風俗図屏風(彦根屏風)」紙本金地着色 寛永期(1624-44) 彦根城博物館蔵 展示期間:1/2(木)~14(火)

 

【菱川師宣<見返り美人図> ~浮世絵のあけぼの 】

*菱川師宣「見返り美人図」絹本着色 元禄(1688-1704)前期 東京国立博物館蔵 Image:TNM Image Archives 展示期間:1/28(火)~2/16(日)

 

【鈴木春信<風流五色墨 長水> ~錦絵の誕生 】

*鈴木春信「風流五色墨長水」 中判錦絵 明和5年(1768)頃 ホノルル美術館蔵 Honolulu Museum of Art, Gift of James A.Michener, 1959 (14491), Photo:Tim Siegert  展示期間:2/4(火)~3/2(日)

 

【喜多川歌麿 <婦女人相十品・ポッペンを吹く女> ~美人画、浮世絵の黄金期】

*喜多川歌麿「婦女人相十品 ポッペンを吹く娘」 大判錦絵 寛政(1789-1801)前期 東京国立博物館蔵Image:TNM Image Archives 展示期間:2/4(火)~16(日

 

【東州斎写楽<三代目大谷鬼次の江戸兵衛> ~役者絵、浮世絵の黄金期】

*重要文化財 東洲斎写楽「3代目大谷鬼次の江戸兵衛」 大判錦絵 寛政6年(1794) 東京国立博物館蔵Image:TNM Image Archives 展示期間:1/15(水)~26(日)

 

【葛飾北斎<冨獄三十六景 凱風快晴> ~風景画・花鳥画・戯画への展開】

*葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」大判錦絵 天保2年(1831)頃 ベルリン国立アジア美術館蔵©Staatliche Museen zu Berlin, Museum für Asiatische Kunst, photography Jürgen Liepe 展示期間:1/2(木)~2/2(日)

 

【歌川国芳<相馬の古内裏> ~武者絵・花鳥画・戯画への展開】

*歌川国芳「相馬の古内裏」大判錦絵3枚続 弘化2-3年(1845-46)頃 名古屋市博物館(高木繁コレクション) 蔵 展示期間:2/18(火)~3/2(日)

 

【月岡芳年<芳流閣両雄動> ~明治以降の浮世絵】

*月岡芳年「芳流閣両雄動」 大判錦絵2枚続 明治18年(1885) メ~テレ(名古屋テレビ)蔵 展示期間:2/4(火)~16(日)

 

(4)  旅のガイドブック 【歌川広重<東海道五拾三次>】――常設展5階特集展示も大変貴重な機会

歌川広重<東海道五拾三次之内 箱根 湖水図>

*歌川広重「東海道五拾三次之内 箱根 湖水図」 大判錦絵 天保4-6年(1833-35)頃 東京都江戸東京博物館蔵展示期間:2/4(火)~3/2(日)

「浮世絵」に風景画というジャンルを開拓した上述の葛飾北斎<冨獄三十六景>に続いた年下の歌川広重は<東海道五拾三次>で大ベストセラー作家となった。

「この圧倒的な量感にあふれた山の描写は、広重の構想力によって極端に誇張されたが、険しいという実感が画面から伝わってくるのは広重の工夫が成功したことを物語っている。細く急な坂道を一列になって下る大名行列の描写も効果的である。・・(略)・・さらに左方のかなたには、真白き富士が端然と描かれている。」(参考文献4)

「大浮世絵展」の歌川広重作品と共に、現在5F常設展で【歌川広重<東海道五拾三次>】(保水堂版)全品が公開されています。「東海道五十三次 -江戸の旅事情と物見遊山」(平成26年1月2日~2月2日)

 

江戸時代後半、庶民にとっての「旅」は、夢物語ではなく実際に流行した娯楽でした。浮世絵は、江戸時代の悲惨さを異常に誇張する日本社会の間違った歴史観を正す一助にもなるかもしれない。

 

「大浮世絵展」は、引き続き名古屋市博物館(3/11~5/6)、山口県立美術館(5/16~7/13)でも開催されます。お楽しみ下さい。

以上

国際浮世絵学会創立50周年記念 『大浮世絵展』

開催日:2014年1月2日(木)~3月2日(日)

開場時間:9:30~17:30 (土曜は19:30まで)

場所:江戸東京博物館

オフィシャルHP : http://ukiyo-e2014.com/

問い合わせ:江戸東京博物館 03-3626-9974(代表)

主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 江戸東京博物館・国際浮世絵学会・読売新聞社

協力:日本航空

 

(参考文献)

1.図録『大浮世絵展』(編集 「大浮世絵展」企画委員会、国際浮世絵学会、東京都江戸東京博物館、名古屋市博物館、山口県美術館、讀賣新聞社 発行 讀賣新聞社)

2.ガイドブック『みてみよう江戸東京博物館』(編集 東京都江戸東京博物館 発行 公益財団法人東京都歴史文化財団 平成21年 第15版)

3.雑誌『PEN』2014年新年合併号「浮世絵の正体-江戸の街に咲き誇ったポップカルチャー」(阪急コミュニケーションズ 2013年12月発行)

4.安村敏信・岩崎均史 『広重と歩こう 東海道五十三次』(小学館 2012年3月 第1版第九刷)

5.徳川宗英『江戸は世界最高の地価社会』(講談社 2013年12月)

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thumbnail_sasaki佐々木 昭美(ささき あきよし)

取締役会長 総合研究所所長

経営コンサルタント(経営改善、事業開発、ビジネスモデル、 人事戦略、IPO、M&A、社外取締役)

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