佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション

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2012/03/12 3.11を忘れない。 災害と経済に強い東北・日本を!

先週3月7日出版された村井嘉浩宮城県知事の著書『復興に命をかける』を読み、3.11を迎えました。

昨日3月11日は、自宅で震災の詳細な記録と論評に満ちた新聞3紙をしっかり読み、TV報道を一日中見ていました。普段は、散歩、映画、買い物等に出かけたり、近くのカフェで読書が習慣ですが、外出しないことにしました。

3.11に向き合い、何よりも亡くなった方、行方不明の方々への鎮魂の日としたいと思いました。同時に、初公開の情報を探り、未来へのあり方を考える機会になるかもしれないとも思った次第です。

(1)2011年3月11日午後2時46分の故郷宮城県大崎市田尻の映像を初めて見ました。

昨日3月11日午前0時5分から放映されたNHKスペシャル再「映像記録3.11」を見て驚きました。

2011年3月11日午後2時46分の東北沖太平洋岸大地震の映像記録は、何と私の故郷宮城県大崎市田尻地区の街の映像で始まりました。旧田尻町の公共センターで開催されていたみやぎ生協の会議の映像でした。震度6強の地震に襲われた参加者のビックリし混乱した様子がしっかりと記録されていました。再放送でしたが、私は初めてその時の映像を見ることになりました。

宮城県大崎市は宮城県北部の広域な地域です。私の実家を始め、親戚、知人、集落、そして大崎市が受けた未曾有の震度6強の激しさを実感し、改めて衝撃を受けました。そして、大崎市の中でも田尻周辺は4月7日も震度6強の地震に見舞われたのです。

昨年5月に訪ねた際に書いたレポートを再度読んで、その現実を再び思い起こしました。当時のレポート見出しを再掲させていただきます。
「 宮城県内陸部も激甚地帯
東北地方太平洋沖大地震が発生した3月11日は、雪の舞う寒い時期でした。宮城県の内陸部も地震の激甚地帯です。海岸部は、地震による巨大津波という2次災害が、無常な激しさで多くの命を奪い、町ごと破壊した。今なお避難している方々が多くいます。メディア報道が悲惨な海岸部に集中していることもあって、内陸部の方々は、「命まで取られなかった」と言って、東北人らしく被害を敢えて言うのが憚られるという思いを持っており、黙々と少しずつ復旧を進めている様ですが、実相は激甚災害です。

【① 家、事務所の全壊、半壊があります】
【② 東北道の橋破壊、道路は陥没、隆起が多い】
【③ 冬の停電は悲惨。電柱は傾いているものが目立つ】
【④ 上水の復旧に20日以上かかった】
【⑤ 都市ガス復旧の遅れ】
【⑥ 下水がまだまだ復旧せず、非常に深刻な問題】
【⑦ 通信ケーブル、通信基地局建物破壊した地域の復旧が遅かった。BCP対策が課題】
【⑧ お寺の墓石はほとんど倒壊状態】
【⑨ 企業、商店等の災害被害と消費不振で失業増加】
【⑩ 心身の負担による病気、死亡。地域医療体制の再建が課題】 」
<詳細は・・・BIエッセイ 2011/05/16 ふるさと宮城県大崎市訪問レポート――『東北人の魂は耐えて、震えている』

(2)元気な宮城、東北、日本を取り戻す-宮城県知事 村井嘉浩『復興に命をかける』刊行

参考資料
先週3月7日に宮城県知事 村井嘉浩『復興に命をかける』を出版され、早速読みました。各県の復興計画が策定されていますが、私は故郷宮城の震災の実相を詳しく知り、復興への取り組みを知りたいと思いました。私の知りたいことに沿った事柄が記載されており、共感することも多い内容でした。

目次紹介で、その概要をお伝えします。
第1章 後世に伝えたい大震災の教訓
1.通信障害と情報不足
2.道路の寸断
3.燃料不足
4.食料・飲料水不足
5.困難を極めた二次避難
6.ご遺体への対応
7.莫大な産業廃棄物(瓦礫等)の処理
8.ボランティアのマネジメント
9.原発問題
10.マスコミとの協力関係 
第2章 私の政治スタンス
第3章 豊かな将来をつくるための復興のビジョン
――ただの復興でない抜本的な改革を――
1.復興計画の基本的な考え方
2.計画期間
3.復興のポイント
①災害に強いまちづくり ②水産県みやぎの復興 ③先進的な農業の構築
④ものづくりの早期復興による「富県宮城の実現」 ⑤多様な魅力を持つみやぎの観光の再生
⑥地域を包括する保健・医療・福祉の再構築 ⑦再生可能エネルギーを活用したエコタウンの推進 ⑧津波災害に強い県土づくりの推進 ⑨未来を担う人材の育成 ⑩復興に必要な規制緩和
第4章 政治に求められるリーダーシップ
第5章 政治家としての原点
第6章 日本の将来のために今なすべきこと
資料 宮城県の被災状況

東北は歴史的に「辺境」と思われているが、日本、世界を支える地域である。単なる前に戻る復興ではなく、未来を見据えた改革の必要性をしっかりと認識したものです。

「日本にはこれから、かつて経験したことのない急激な少子高齢化、人口減少の時代が訪れます。
今回の被災地は、震災前からそうした日本の将来を先取りした地域でした。この地域を少子高齢化、人口減少でも発展する地域に変貌させることができれば、次の時代の、あるべき地域の姿を国民の皆様にお示しすることができます。」(参考文献1)

橋本五郎読売新聞本社特別編集委員が書評でこう述べています。

「本書は復旧・復興の最前線で指揮をとっている知事の行動の記録であり、使命に殉じようとする書である。・・(略)・・国民の命と財産を守るために何をしておかなければいけないのか。数々の教訓と復興のポイントなどがわかりやすく書かれている。」(参考文献2)

災害に強い国土づくりと強い経済の東北・日本を創る戦いに挑む熱い書に出合った。被災した故郷宮城には強いリーダーシップの必要性を自覚したリーダーが存在することを知って少し救われる気持ちがした。

自分もがんばろう!

(参考文献)
1.村井嘉浩『復興に命をかける』(PHP研究所 2012年3月)
2.讀賣新聞 2012年3月11日朝刊 

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thumbnail_sasaki佐々木 昭美(ささき あきよし)

取締役会長 総合研究所所長

経営コンサルタント(経営改善、事業開発、ビジネスモデル、 人事戦略、IPO、M&A、社外取締役)

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