佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション

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2012/04/02 佐々木流 BI経営進化論 第4回 Aプランでは失敗。BプランまたはZプランへ進んで成功!

BI経営進化論
 今回は、ジョン・マリンズ+ランデー・コミサーの大変刺激的な共著『Bプラン 破壊的イノベーションの戦略』の紹介です。

 本書は、私が昨年11月に30~40代幹部育成のBIP事業リーダー実践塾で『企業業績を抜本的に変えるビジネスモデル創造の事例と理論』を講義し、(詳細はこちら>>) その中で紹介した参考書の一つです。

 多くの日本企業が4月より新年度を迎えました。新入社員にとっては新鮮な社会人スタートの季節です。入社式が行われ、トップ所感が今夕や翌朝の新聞に掲載されるでしょう。今年各社トップのキーワードは何になるのか、私は関心を持ち大変参考にしています。

 また、新年度計画或いは中期事業計画が策定され、組織改組、人事異動の季節でもあり、在職社員にとっても新鮮な気持ちを持つ季節です。

 事業を担う者にとって計画は大事ですが、変化への対応を軽視する“絶対化”は危険です。年度当初に、敢えて水を差すようなことを申し上げるのは訳があります。

 成功した企業はAプランで止まらず、変化に対応し、連続した模索と変革のなかでBプラン或いはZプランまで進んでいます。計画がその立場やプロセスであればもちろん良いでしょう。

(1)プランAからプランB、或いはZプランへ移行した成功原理――ジョン・マリンズ+ランディ・コミサー『Bプラン 破壊的イノベーションの戦略』

参考資料
 著者のランディ・コミサーは、皆様よくご存じの世界有数の有力かつ尊敬されるベンチャー投資会社クライナー・パーキンス社の共同経営者であり、同時にスタンフォード大学で起業コンサルテイング教授として大人気な方です。

 もう一人の著者ジョン・マリンズはロンドン・ビジネススクールの准教授で、同時に起業や役員経験をもっています。

 本書が極めて実践的な内容で、尚かつ理論的・実践的枠組みを提供しているのは、二人の著者の経歴によく現れています。日本でも少しずつ企業経営者が大学で研究教育に携わる例や本出版が増加しつつあることは良いことですね。

 「本書の主題は単純なものだ。イノベーションや新規事業のほとんどを取り巻く不確実性は、検討中の計画と、すでにある他の事業と比べることで大幅に減らせる。
 われわれはプランAの一部または全部がまちがっているという想定で話を進める。一連の仮説を系統的に試すことで、賢い起業家や現場経験豊富な重役は、感情的な説得ではなく実験を通じて、もっとよいプランBに、やがてはプランZに到達するのだ。」(参考文献1)

 目次を見るとわかるように、トヨタ、アップル、グーグル、アマゾン等成功20社の現存する事例を取り上げており、引き込まれるように読める。

  第0章 プランAは失敗する―携帯も暗号技術から出発したペイパル
  第1章 発明より改善を―ウォークマンとナップスターを融合しiPodを開発
  第2章 ダッシュボードの力―イーベイからひらめいたグローバルビギングの寄付金集め
  第3章 売上げモデルという生命線―グーグルは売り上げゼロモデルから出発
  第4章 粗利モデルで行き詰まりを避けよう―パタゴニアの顧客は高価格でも企業理念を買う
  第5章 運営モデル改善で贅肉を落とす―サウスウエスト航空という師を超えたライアンエア-
  第6章 運転資金モデルで現金力をつける-コストコは会費制で現金を先取りする
  第7章 お金がお金を生む投資モデル-スカイプは投資モデルゼロで通信業界を一変させた
  第8章 各種モデルを組み合わせる-アマゾンやザラはなぜ他の追随を許さないのか
  第9章 独自のプランBを見つけよう!-本書を振り返って自分に何ができるかを考える

(2)ビジネスモデル・グリッド-プロセスと内容を一つにまとめた理論的・実践的枠組み

図:ビジネスモデル・グリッド
参考資料
 本書は、ビジネスモデルの5要素と、類似例と反例を組み合わせてよりよいビジネスモデルへ進むプロセスを統合した理論的・実践的枠組みをビジネスモデル・グリッドとして提供しています。

 ビジネスモデルの5要素として、売り上げモデル、粗利モデル、運営モデル、運転資金モデル、投資モデルを挙げて詳細に説明しています。

 「多くの企業はビジネスモデルの5要素のうち、たった一つか二つのイノベーション――そして執拗に焦点を絞ること――によって大きな成功をおさめる。」(参考文献1)

 図の横枠は、よりよいビジネスモデルに至るために取り組むべきプロセスを4段階に整理しています。
類似例と同時に反例も調査、研究すべきです。ダッシュボード化とは、未踏の信念、そこから生まれた仮説、その仮説実践の結果を記録するプロセスをいいます。仮説を決め、評価指数を決めて結果を査定する。

 発明より改善。欧米の理論知は、我々日本人の実践知と類似して来ていますね。欧米の成功企業は、90年代までの日本企業の成功に学び、更に超えるための努力をしてきた成果かもしれません。
 

(3)手本を超えるためのモデリング-井上達彦『模倣の経営学-偉大な会社はマネから生まれる』

参考資料
 先般、日本ベンチャー学会の研究会で井上達彦早稲田大学商学学術院教授の研究発表を伺いました。模倣の4類型を糸口にした事例研究です。『Bプラン 破壊的イノベーションの戦略』を読んでいた私には、日本でのフィールドワークによる理論化の進展を大変嬉しく感じた次第です。

この3月、井上達彦教授が『模倣の経営学-偉大な会社はマネから生まれる』を刊行されました。今後、詳細に紹介したいと思います。

以上

(参考文献)
1.ジョン・マリンズ+ランディ・コミサー『Bプラン 破壊的イノベーションの戦略(文藝春秋 2011年8月)
2.井上達彦『模倣の経営学-偉大な会社はマネから生まれる』(日経BP社 2012年3月)

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thumbnail_sasaki佐々木 昭美(ささき あきよし)

取締役会長 総合研究所所長

経営コンサルタント(経営改善、事業開発、ビジネスモデル、 人事戦略、IPO、M&A、社外取締役)

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