佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション

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2010/11/01 ホンダ上期増益決算がはっきりと示した「BI経営(事業開発と経営改善の両輪経営)」の王道

 先週10月29日に発表したホンダ上期増益決算の要因分析は重要なメッセージを示しています。

 昨日10月31日の日本経済新聞は、29日までに決算発表した3月期決算企業(金融・新興市場を除く)475社の集計結果を報道しました。社数で全体の30%、時価総額で56%を占める企業の数値であり、製造業中心におおよその傾向を掌握できると思います。
集計全産業2010年7~9月期の経常利益は、2年前リーマンショック前の2008年4~6月期の98%に達した。世界的景気対策の恩恵と同時に各社の必死の企業努力の結果でもあります。

 私は、日本のGNPに占める割合の大きい2大産業である自動車業界と情報通信業界を定期的にモニターしています。自動車業界は他の製造業と同じく日本の市場も大きいですが、海外の市場開拓が比較的進んだ世界的にも大きな産業です。

 日本自動車業界の成長戦略と商品開発動向について、今年7月26日BIエッセイ「 熱い成長戦略が報道されたホンダ・トヨタ」を執筆しました。(詳細はこちら>>

 情報通信業界の動向分析は、今年9月1日に「 調査レポート(要約)「情報通信専業的トップ3社決算(NTTデータ、ネットワンシステムズ、NECネッツエスアイ)にみる6つのキーワード」を執筆し発表しています。(詳細はこちら>>

(1)ホンダ増益要因は、事業開発と経営改善。円高・景気対策終了で販売減少と為替損が増加傾向。


参考資料 BI経営参考資料
※参考文献3(3面)より抜粋

 ホンダが29日発表した2010年9月中間連結決算は売上高が13.7%増の4兆6133億円、営業利益が前年同期比338%の3979億円と大幅な増益になった。一方、11年3月期の業績予想は、補助金制度の打ち切りによる反動減や円高の影響で、売上高を4.9%増の9兆円に1000億円下方修正しました。ただ、コスト削減効果などを見込み営業利益は37%増の5000億円(従来予想比500億円増)と若干上方修正しましたが、下期は不確定な要素が多いと説明されています。

(事業セグメント別状況)
(二輪事業)
日本は減少もアジアや南米の販売増で全体として売上台数は20%増加となりました。
(四輪車事業)
日本は9月上旬までのエコカー購入補助金効果もあって売上台数は、32万2千台と前年同期にくらべ12.6%の増加となりました。海外売上台数は、欧州地域で減少したものの、北米地域やアジア地域で増加したことなどにより、147万5千台と前年同期にくらべ11.9%の増加となりました。四輪事業合計では、179万7千台と前年同期にくらべ12.0%の増加となりました。

(所在地別セグメントの状況)
 日本は20%の増収、北米は15%の増収、欧州は19%の減収、アジアは33%の増収となりました。

 上記のように事業開発による増益要因は、第1四半期1751億円、第2四半期938億と大きなものになっています。しかし、円高等で第2四半期に売上高減速傾向がはっきりと数字に表れています。円高による営業利益への為替影響も、第1四半期でマイナス144億円、第2四半期でマイナス344億円と減益影響が増加しています。

 一方、販売費及び一般管理費や研究開発費の増加があったものの、増産に伴うコスト効率、コスト削減効果などにより吸収し、第1四半期は487億円、第2四半期は387億円の増益効果を生み出しました。経営改善への努力の成果です。

 総じて、事業開発と経営改善の両輪経営がしっかりとホンダの収益回復の要因であることを示しています。BIPが一貫して提唱しているBI経営(ビジネスインテグレーション:事業開発 +ビジネスインテリジェンス:経営改善の両輪経営)の王道の大切さを改めて再確認する結果でした。

 フィットハイブリッドが10月より発売され、フィット新規購入の70%がハイブリッドであるという。ホンダの事業開発、成長への挑戦は続いています。

(2)BIPは、即時的・持続的収益効果ある『トランザクションマネジメント』提案

 10月政府は景気下方修正を発表しました。円高、景気減速傾向が再び表面化しつつあります。最近、同じように危機感を持つ多くの方から「どうしたらよいでしょうか」の質問や相談が寄せられています。個別企業毎の特定解は色々と違いますが、リーマンショック後の厳しい環境の中で、BI経営を具体化し即時的・持続的成果を上げた実践的マネジメントコンセプトであり、実践方法(メソド)である『トランザクションマネジメント』を改めて紹介します。

 2009年5月にBIPWEBでその成果を発表しました。不透明な明日への自信を持った王道となると信じています。再録しましたので、お読み頂きたいと思います。もちろん、経済環境は当時と現在では変化し異なります。例えばドイツはユーロ安を背景に輸出絶好調です。詳細はご説明、ご相談致しますので、気軽にメール或いはお電話頂きたいと思います。

――再録――
2009/05/07 BIPは、即時的・持続的収益効果ある『トランザクションマネジメント』提案を発表。(詳細はこちら>>

 BIPは5月、短期最適化と中期成長戦略の両輪経営を進める『トランザクションマネジメント』提案を発表しました。多くの企業のトップ、本部長、部長、課長の皆様に活用して頂きたいとの念願からです。昨年10月以降の経済激変に対応して実践し、具体的成果を上げている経営改善コンセンプトであり、手法(メソド)でもあります。

“収益改善機会は無限である!”と思います。『トランザクションマネジメント』は、経営の王道をスピーディーに、全部門が連携し、リーダーが決断し実施すれば即時的かつ持続的収益改善が可能です。

*トランザクション=あらゆる内外事業・取引機会、開発機会、対人機会、行動機会、書類・システム処理機会等

以下のイメージ図を見てよく考えてみてください。100位の改善、改革テーマがすぐ出てくるはずです。問題はその優先分野と実行の経営方法が問われています。
是非、お勧めします。BIPビーアイピーまでお問い合わせください。(電話:03-5114-6051 / メール:info@bi-p.co.jp)事前相談は無料です。
トランザクションマネジメント参考資料

 短期最適化・中期成長戦略同時実践の背景は、世界的需要減退・世界的デフレの認識

 マクロ的背景を少し述べ、大きな流れの共通認識を得たいとお思います。まず現在の経済環境を冷静に把握する必要があります。業種の違いがありますが、今回の経済激変は世界的需要減退現象です。日本はすでに10数年経験済みのデフレ現象が、世界的レベルで発生し始めました。金融危機によって、円・人民元以外は世界的ドル高となりました。特に新興国の通貨は20~30%以上安くなり、貿易決済のドル不足が発生し、激変をもたらしたようです。各国中央銀行、IMF、G8、G20などの国際連携によって通貨変動も安定し始めました。深刻なショック的金融危機は止まりつつあると思われます。短期金利安定、株式市場上昇傾向に変化が見られます。

今は、大きく言えば、不況が世界的に広がり、世界的景気循環の底の局面です。特徴は売上減少、設備投資減少、資産価格減価等が発生しています。特に、輸出・貿易に依存する日本・ドイツ等はIMF加盟国の中でも最も影響が発生しています。自動車は30%程度の売上げ減少です。工作機械は50%以上受注減少という製造業の稼働力減少が続いています。日本の株式市場は、2008年日経平均で42%程度低下しました。資産価格低下の減損処理と倒産・赤字企業増加の引当金増加で金融業界もほとんどが大幅赤字に陥りました。

そういう中で社員雇用と技術力が命の日本企業では、どうすべきか。単純化して言うと、短期的には前年の70~80%レベルの売上げでも生存する最適化戦略を実施しつつ、同時に中期的成長戦略を実行する合わせ技が即時的・持続的効果あることは自明です。市場変化と新しい成長ニーズへのビジネスモデル変革が必要です。正にBI(ビジネスインテグレーション)が必要な時代です。各国の財政投資分野への分析も重要です。

 4月日本販売台数で唯一前年比増加のホンダの先行事例に学ぶ

 例えば、ホンダは2008年度早くから在庫調整、F1撤退等のコスト削減の最適化と同時に、エコカーの戦略開発を早めた。今年2月に発売したハイブリッド車インサイトは販売計画予定の3.6倍のペースで売れ、その効果もあり4月日本での販売台数は6ケ月ぶりに前年比1.8%増加に転じた。トヨタ32.5%減、日産31.7%減等各社30%前後マイナスの中である。既存車販売価格は240万円前後であったが、ベースモデルで189万円に設定した。ハイブリッド車は、今や環境中心のエコ技術に加えてエコノミーで乗り心地も良く、誰でも買える・乗れる車になった。約20%の低価格を実現している。コンセプトは、「Hybrid for Everyone~ハイブリッドをみんなの毎日へ」「エコロジー&エコノミー&使いやすさ」である。4月エコ税制前から人気で売れている。ビジネスモデル戦略の変革が明確に経営数値に反映した先行モデルとして学ぶ価値が大きいと思います。
以上

(参考文献)
1.本田技研工業株式会社『2010年度 第2四半期 決算説明会』
2.本田技研工業株式会社『2010年度 第2四半期連結決算短信』 
3.日本経済新聞 2010年10月31日号
4.佐々木昭美 BIエッセイ「2009/03/23 4月エコカー税制とハイブリッドエコノミー車戦略で、皆さんは車買い替えをどうしますか?
5.佐々木昭美 BIエッセイ「2010/07/26 熱い成長戦略が報道されたホンダ・トヨタ

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