佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション

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2013/03/18 宮城・岩手・福島に美の贈り物~伊藤若冲等プライスコレクション特別展鑑賞と東北の旅に行こう!

2年目の3.11を迎えた故郷東北。その東北に、楽しい美の贈り物。2006年日本を熱狂させたあの伊藤若冲プライスコレクションが、悦子・アンド・ジョー・プライスご夫妻の東北を思うお気持ちから宮城・岩手・福島にやって来ました。

『東日本大震災復興支援 若冲が来てくれました プライスコレクション 江戸絵画の美と生命』展覧会。3月より仙台市博物館(3/1~5/6)で開催中です。続いて、岩手県立美術館(5/18~7/15)、福島県立美術館(7/27~9/23)と巡回します。

私は宮城県の出身で、美の愛好家です。内覧会に参加して、子供も大人も楽しめる素晴らしい特別展を味わいました。高校生以下は無料です。日本での大規模なプライス展は最後となる。熱狂の伊藤若冲日本画ワールド等プライスコレクション鑑賞と美しく楽しい東北の旅をして欲しいと強く願っています。

(1)悦子・アンド・ジョー・プライスご夫妻の東北への熱い思い

参考資料 参考資料 参考資料
※写真:記者会見する悦子・アンド・ジョー・プライス夫妻、内覧会風景

今回、伊藤若冲の代表作《鳥獣花木図屏風》が何とガラスケースに入れずにオープン展示されています。その前での記者会見で、悦子・アンド・ジョー・プライスご夫妻は今回の特別展開催に至った経緯を以下の趣旨を交え、率直に語りました。

「ロサンゼルスの自宅で、地震と津波の惨状をテレビで見ました。衝撃でした。豊かな恵みをもたらす自然が豹変し牙をむいたのです。被災者たちを励まそうと決意しました。2011年11月に被災地を回りました。・・(略)・・翌年5月に再び被災地を訪ねました。・・(略)・・暗く荒涼とした風景を眺めるうちに、心の迷いは消えました。豊穣な色彩の中に多彩な生命が躍動する絵を見せたい。
愛する日本の惨状に接して、落ち込んだ私たち夫婦を励ましたのは若冲の「鳥獣花木図屏風」でした。・・(略)・・日本が生んだ、世界に冠たる江戸絵画の精髄を携えて被災地を巡回します。東北がんばれ!! 日本人がんばれ!!」(ジョー・プライス氏 参考文献3)

また、東北人が示した行動が、世界に日本人の株をあげたのだとも語っています。

「今回、ほかの会社からもインタビューを受けました。そのときに“東北に対するメッセージはありますか?”と聞かれたので、ジョーが、メッセージは『東北に対してありがとうと言うことだ』と言ったのです。“どうしてですか?”と聞かれて、実はこうこうで、東北の人たちがああいう態度を示して日本人としての尊厳が保たれたということを言いました。東北の人々の我慢強さや尊厳があったからこそ、私たちがコレクションを持っていきたいという気持ちになったのです。」(悦子・プライス氏 参考文献1)

(2)子供も大人も楽しめる『東日本大震災復興支援 若冲が来てくれました プライスコレクション 江戸絵画の美と生命』展覧会

参考資料 参考資料

【美と生命のパラダイス~希有の日本画家伊藤若冲の名画コレクションが勢揃い】

小学館月刊誌『和楽』四月号も、「史上最大の“若冲”大研究」特集をして、今回のプライスコレクションを応援しています。(参考文献2)

今回のコレクションは、子供たちを意識した展示構成やタイトルも創造的で異色です。「各章題のタイトルは、「プライス動物園」「お話きかせて」など。さらに、各作品名も「よりそうツル」(伊藤若冲作「群鶴図」)、「ブドウの木」(同「葡萄図」)などと、正式名称とは別に、親しみやすいタイトルが付され、子供の理解の手助けをするように工夫されている。」(参考文献4)

伊藤若冲作品は、プライスコレクションの他、賛助作品としてMIHO MUSEUM所蔵《象と鯨図屏風》、宮内庁三の丸尚蔵館所蔵《旭日鳳凰図》、東京国立博物館所蔵《松上白鶴図》、京都国立博物館所蔵《果蔬涅槃図》も出品されています。

◆子供も若者も見たら笑顔と感動で熱狂する伊藤若冲の代表作《鳥獣花木図屏風》
参考資料 参考資料
※伊藤若冲 《鳥獣花木図屏風》花も木も動物もみんな生きている

一隻の横の長さが約3.8m、縦は約1.7mもある六曲一双屏風がご夫妻の強い希望でガラスケースに入れずにオープン展示されています。向かって右側の白い象と左側の鳳凰を中心に、屏風いっぱいに花や木の中に、鳥や獣の群れを描いていますね。方眼紙のように1cm四方の桝目は8万6000個以上で丁寧に一個一個描いています。衝撃ですね。そして、楽しいですね。

◆伊藤若冲~凶暴さが特徴の虎が、デフォルメしてユーモアあるトラに
参考資料
※伊藤若冲 《虎図》足をなめる虎

日本にはトラがいないので京都・正伝寺の『猛虎図』を模写したものですが、デフォルメされてちょっとユーモアを感じませんか。

◆伊藤若冲~落ち着いた作品にも独特の図様と表現が感じられますね
参考資料
※伊藤若冲 《雪芦鴛鴦図》雪のつもったアシとオシドリ

「冬の静かな水辺の情景を描いた作品です。枯れたアシの葉に積もる、湿った雪の粘りつくような表現は若冲独特のものです。・・・水中の頭と足は、透き通って見えるように描いています。」(参考文献1)

◆伊藤若冲 ~凄い迫力と細密さ。プライスコレクションの若冲画の代表作品。
参考資料
※伊藤若冲 《紫陽花双鶏図》アジサイの花と二羽のニワトリ

実際にニワトリを飼って観察した若冲は、ニワトリの絵をたくさん描いたそうです。
「なかでもこの作品は、息をのむような高い技巧による細かな描写とあざやかな色によって、ニワトリとアジサイ、バラが美しく表現」(参考文献1)されています。

◆伊藤若冲~ジョー・プライスさんが24歳の時に初めて購入した若冲の作品
参考資料
※伊藤若冲 《葡萄図》ブドウの木

若冲が朝鮮の絵画を手本にして40歳頃までに描いた葡萄図だそうです。

◆伊藤若冲~絶妙の色合いで、ふっと笑いたくなる楽しい絵ですね
参考資料
※伊藤若冲 《伏見人形図》伏見でつくられたお人形

この作品は、京都の伏見稲荷の土産物として親しまれた素朴な土人形を描いたものだそうです。「おなかをはだけて、唐団扇を両手で持ち、にこにことほほえむ七人の布袋様を描いています。」(参考文献1)


【円山応挙、長沢芦雪・酒井抱一・鈴木其一・曽我簫白など名画展覧】

プライスコレクションは、伊藤若冲を中心に江戸日本美術の名画を収集していますが、今回は、若冲以外にも数多くの名画を展示しています。

また、宮内庁三の丸尚蔵館所蔵 円山応挙《群獣図屏風》、東京国立美術館所蔵 呉春《山水人物図襖》、京都国立近代美術館所蔵 小野竹喬《奥の細道句抄絵》、東京国立近代美術館所蔵 東山魁夷《青響》が賛助作品として展示されています。

◆長沢芦雪~何といったらよいのでしょうか?屏風に大きな白いゾウと黒いウシ。

内覧会開会式は、芦雪の《白象黒牛図屏風》を再現した高精細複製品を背景に行われました。特定非営利活動法人京都文化協会とキヤノン(株)による「絆プロジェクト」が作成したものです。今回、仙台市博物館に寄贈され、岩手、福島にも巡回します。従って、会期中はオリジナルと高精細複製品の両方が公開されています。(参考文献2)

参考資料 参考資料
※長沢芦雪 《白象黒牛図屏風》白いゾウと黒いウシ

「巨大なウシの前に小さなイヌが座り、巨大なゾウの背には小さなカラスが留まっています。白と黒、大と小、剛と柔、動と静の対比の妙に、思わず笑みがこぼれます。」(参考文献1)


◆鈴木其一~尾形光琳が考案し、琳派が得意の画題
参考資料 参考資料
※鈴木其一 《群鶴図屏風 六曲一双》ツルの行列

スマートなツルのここちよいバランスの配置に、私は心が落ち着きました。「色彩的にも、金地に白、グレー、黒、紺の対比が鮮やかで、装飾的な効果をいっそう強めています。」(参考文献1)

◆葛蛇玉~現代の日本画につながるかもしれないと素人の私が感じた作品
参考資料 参考資料
※葛蛇玉 《雪中松に兎・梅に鴉図屏風 六曲一双》雪の夜の白いウサギと黒いカラス

墨の画面の上に、白の絵の具の雪。松と梅の幹は塗り残した白地の紙で積雪を表す。梅の木にカラス、松の木にウサギ。雪の白と夜の黒、松と梅、ウサギとカラスが対になっているという。

◆酒井抱一~飾った建物空間をイメージすると“部屋にあったらいいなあ”と夢想しました
参考資料 参考資料
※酒井抱一《十二か月花鳥図 十二幅》十二か月の花々と鳥たち 3月と12月

一幅に一ケ月毎に、それぞれの季節の花と鳥と虫が組み合わされ、二幅で対となる空間構成なそうです。


(3)東北に春! プライスコレクション鑑賞と宮城・岩手・福島の旅をしませんか。

参考資料
3月16日、東京は早くも開花宣言。来週には満開となるでしょう。
東北もいよいよ桜の季節。春の観光旅行シーズンです。JR東北新幹線、秋田新幹線も新しい車両に切り替わり東北がまた近くなりました。JRは東北新幹線桜旅も提案しています。(参考文献4)

伊藤若冲等プライスコレクション鑑賞と宮城・岩手・福島の楽しい旅で春・夏を満喫しませんか!

「東日本大震災復興支援 若冲が来てくれました-プライスコレクション 江戸絵画の美と生命-」

会期
1. 2013年3月1日(金)~5月6日(月・振休)
2. 2013年5月18日(土)~7月15日(月・祝)
3. 2013年7月27日(土)~9月23日(月・祝)

会場
1. 仙台市博物館
2. 岩手県立美術館
3. 福島県立美術館

WEBサイト http://jakuchu.exhn.jp/

主催
財団 心遠館、日本経済新聞社、仙台市博物館、岩手県立美術館、福島県立美術館

後援
アメリカ大使館、南カリフォルニア日米協会

(参考文献)
(1)監修 辻惟雄、編集 仙台市博物館・岩手県立美術館・福島県立美術館・日本経済新聞社文化事業局『東日本大震災復興支援 若冲が来てくれました プライスコレクション 江戸絵画の美と生命』展覧会カタログ
(日本経済新聞社 2013年3月 定価 本体2,500円+税別)
(2)月刊誌『わらく 和楽』2013年4月号
(小学館 2013年3月 定価 本体 1,238円+税別)
(3)日本経済新聞 2013年2月16日朝刊
(4)讀賣新聞 2013年3月14日朝刊
(5)(株)JR東日本企画『トランヴェール』2013年3月号

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thumbnail_sasaki佐々木 昭美(ささき あきよし)

取締役会長 総合研究所所長

経営コンサルタント(経営改善、事業開発、ビジネスモデル、 人事戦略、IPO、M&A、社外取締役)

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