佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション

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2013/06/17 「仕事」と「遊び」の「シーソーゲーム」試論? 「イチローさん流ヒット型」と「王さん流ホームラン型」の遊び方

今年もあっという間に6月後半となりましたね。私自身も、1月より仕事が繁忙で走り続けてきた気持ちもあり、今回はちょっと息抜き兼ねたエッセイにしました。「仕事」と「遊び」の「シーソーゲーム」試論? と気取ったタイトルですが、要は私の“遊び白書”です。どうぞ、お気軽にお読み下さい。

私も、40~50才台の超繁忙時代当初は仕事一本やりに近い“仕事モーレツ型”でしたが、徐々に心身をリフレッシュする趣味や遊びの大切さを学びました。

幼少時に遊び体験した「シーソー」に例えてみると意外に分かりやい。「仕事」と「遊び」は対立するものではなく、「仕事」の密度が高くなると「遊び」の密度もバランスをとって低い所から高い所に行きたくなるような気がします。

今回は、最も忙しいビジネスリーダーこそ「仕事」の計画は当然ながら「遊び」の計画も大事なことだと思い、リーダーのOFF、リフレッシュについて私の事例も少し話しながら一緒に考えてみたいと思います。

シーソーの図

(1)「遊ぶ喜び」計画を意識し始めた最繁忙の40才台

私は、松岡正剛『白川静 漢字の世界観』(参考文献3)の「出遊」に学び、遊びを「美遊」と考え、以下3つの美と表現しています。3つの美は、節子・クロソフスカ・ド・ローラ『見る美 聞く美 思う美』に学びました。

図:「美遊」は見る美、聞く美、創る美
3つの美

見る美:旅、自然、花、美術・建築、遺跡、映画など
聞く美:コンサート・ライブ、歌舞伎・オペラ・芸能など
創る美:出合いの場、縁、食事会、交流会、カラオケ、エッセイ、フェイスブックなど

OFFという言葉で言われることもあります「遊び」「リフレッシュ」の大切さを私が痛感したのは40才台後半だと思います。リタイア後の遊びのことではなく、第一線時代の遊び・リフレッシュのことです。今も私は、第3の職業で第一線にいます。

もちろん、親として小さな子供たちとの遊び、役員・社長として職場での懇親、多くのお客様との交流等は本当に一生懸命でした。しかし、それだけでは何か自分への満足感が今一歩不足でした。

何度も何度も自分と対話してみて、自分のために・自分の好きな遊びを・自分一人や親しい友人等と過ごす時間が大事なのではないかと思い当たりました。「大人のOFF」が未熟なのではないかと気付きました。私は、「遊び」の奥手だったのでしょうか?人生の有限をやっと自覚したからなのでしょうか?

生きる喜びには、「働く喜び」「学ぶ喜び」に加えて「遊ぶ喜び」計画も必要だと、生きる喜びの「三喜人生」論の原型がその頃生まれたと思います。(BIエッセイ2010/01/12号『010年初夢(個人編):「働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び」の生きる喜び「三喜計画」を描く』詳細はこちら>>

現在の遊び、趣味は、①海外旅行、国内旅行、②美術館・博物館巡り③音楽CD・オペラ・コンサート・歌舞伎・芸能鑑賞 ⑤映画鑑賞 ⑥美術品収集・陶器収集⑦サッカー・野球観戦などです。

実は私はもともと体育会系です。スポーツも大好きで、若い頃は中学・高校は卓球部、社会人は職場野球のピッチャー、ショートでした。今はサッカーを見るのが好きな為、たまにサッカー場に向かいます。腰痛のせいもあり、ゴルフをしない時間分の多くが非スポーツ分野に広がったのかもしれません。

6年間にわたって241回BIエッセイを執筆していますが、改めて調べてみると読書以外の趣味・遊びに関連する記事が結構あります。①海外・国内旅行 12回 ②美術館・博物館巡り32回 ③コンサート3回 ⑤映画 2回 です。

そのせいか、「佐々木さんは閑なので遊びばかりしているのではないか」「もう半分リタイアしたのか」というご心配の声も一時頂戴しました。繁忙の中でもOFFを楽しむことの大切さという私の40代後半の反省から始まったOFFの姿がエッセイでオープンとなり、「遊び」記事の多いこととあいまって、誤解に繋がった面もあったようです。

誤解も放置できないので、最近は「遊び」のエッセイは美術館・博物館巡り以外の発信を控えています。実は、今も繁忙だからこそ身近で気軽な短時間のリフレッシュを大切にしています。また、その他の事についてはフェイスブックで気軽に発信しています。

やはりビジネスリーダーの「仕事」と「遊び」の「シーソーゲーム」試論として、忙しい中での「遊び術」「時間工夫術」の一端を交流することは大事なことだと思いました。「遊び」の記事へのアクセス数も多く、期待もありますので、工夫しながら執筆していきたいと思います。

(2)「イチローさん流ヒット型」「王さん流ホームラン型」組み合わせた遊び方

「仕事」の緊張感と「遊び」の解放感のバランスをもった活力こそリーダーの命だと思っています。皆様はどう工夫しているでしょうか。

私は、仕事はサッカー型ですが、遊びは野球型で考えて実践しています。

【イチローさん流ヒット型】
内覧会風景 参考資料 空と宇宙展~飛べ!100年の夢
映画館にて 参考資料 参考資料CD
↑ボストン美術館展の筆者、歌川国芳展の筆者、はやぶさの偉業見た博物館、
映画「天使と悪魔」、年末の第九コンサート、フジ子・ヘミングコンサート、

2時間程度の短い時間は、工夫すれば生み出せます。小さな喜びの積み重ねが大きな喜びにつながります。イチローさんのように、ホームランは少ないがヒットが重なると大きな成果になります。ビジネスリーダーにピッタリの方法だと思って実行している方法です。
リーダーにとって、時間管理術は朝飯前の初歩的技術です。 

<第1は、美術館・博物館・映画館での鑑賞です。>
事務所や自宅近辺の多くの美術館・博物館を2~3時間程度で鑑賞できます。関東以外も視野にして、全国出張の際はその前後に可能な限り訪問しています。映画館にも自宅から車で15分あれば行けます。

<第2は、音楽・歌舞伎・芸能鑑賞です。>
自宅でのCD鑑賞から始まった音楽への興味が、生のコンサートやライブ、オペラ、歌舞伎、落語鑑賞へと広がっています。幸いなことに東京・関東周辺は多くの企画に恵まれています。

<第3は、いわゆる昼食会、夕食会です。>
交友・コミュニケーションとして、春夏秋冬を職場・友人や家族と味わうコミュニケーションとして、昼食会、夕食会を大切にしています。食は交際の基本ですね!人生は人の縁といわれますが、実を結ぶには小さなコミュニケーションが土台だと思っています。遠くで普段会えない方も多いので、年2回写真入りのハガキも送らせて頂いております。

【王さん流ホームラン型】
楽しみも大きいが、時間やお金のかかる「王さん流ホームラン型」と呼ぶ遊びは、3つの重点に絞って実行しています。

トルコ旅行写真 書斎の様子 BIP事務所に飾っている絵
↑トルコ“カッパドキア”の風景 ・ 書斎の様子 ・ 弊社事務所に飾っている絵

参考資料 参考資料
↑各地から収集したマイカップを置くコーヒー専門喫茶

<第1は、海外旅行・国内旅行です。>

年1回の海外旅行と年1回の国内旅行は、遠く離れた子供達との家族の絆として大切にしています。

旅は癒しと同時に新しい体験・気づきをくれます。海外旅行はどうしても仕事柄夏期休暇の時期になります。昨年はフランス、2年前は南イタリア、その前はトルコ、スペイン、ギリシャ、ドイツ、東欧、オランダ、ベルギー、ハワイ、シンガポール、マレーシア等を訪ねました。今年はイギリスの予定です。もちろん、美術館・博物館等は絶対寄ります。約10年間継続している時間が味方となって、少しずつ広がってきました。

ゴールデンウィークの国内旅行は、昨年は四国、2年前は鹿児島、その前は京都、鳥取、伊勢志摩、飛騨高山、金沢、熊本、長崎、青森等訪ねました。現地に着いたら、地理に詳しいタクシーを一日チャーターして廻る楽しみを覚えました。

< 第2は書斎整備です。>

約10年前の自宅リフォームの際に、読書の環境整備として書斎造りにも投資しました。読書は本の保管・保存が一番難しいのです。CD鑑賞の静かな場所でもあります。

書庫を整備した効果は、仕事と趣味の両面で劇的でした。蔵書を分類整理することが出来ました。また新しく購入した本の場所、研究・執筆の書籍を置く場所が確保できるようになりました。それでも、すでに満杯ですが。

<第3は、絵画収集、陶器収集>

手頃な好きな絵画、陶器を少し収集し始めたところです。

好きな絵を飾って毎日見ることができることは嬉しい限りです。私は、「琳派」が好きで現代琳派の作品を少し収集始めています。ささやかですが、コーヒーカップ等の陶器収集も楽しみです。旅行や出張の際に掘り出しものを探します。“鑑定団”のTV番組は老若男女に親しまれていますね。

(3)佐々木流ハイブリッド型の時間工夫術

経営者・リーダーは24時間仕事を考え、実践しています。私も30才頃より限られた時間の中で、公私の時間配分を考える経験を積み重ねてきました。30代で知ったコンサルタント城功氏は『「公私混同」のすすめ』を説いていました。ビジネスマンにも、農業、商工業等自営業店主や経営者の発想の必要性を勧めていたもので、今でも心に残っています。

<第1は、見る喜び・聞く喜びと知る喜びのハイブリッドな楽しみ方が好きです。>

好きな映画と関連本、コンサートと関連本、展示会と関連本、旅行と関連本等のハイブリッドな楽しみ方です。

見る喜び・聞く喜びと知る喜びの両方を欲張りに追求しています。読書の時間は自由に設定できますので、まとまった時間をとらなくても二重の喜びを体験できます。

<第2は、公私融合・公私統合した時間利用の工夫です。>

特に経営者・リーダーにとっては24時間が仕事時間です。私は出張が金曜日や月曜日の際は、土曜日や日曜日は自費で追加宿泊して小旅行が可能か検討します。逆に、学会はほとんど春秋の土日開催です。前後平日を小旅行できないか考えます。公私ともに、同じ都市に行く機会はそんなに多いものではないのです。

<第3は、事務所と自宅の両方が仕事場です。>

事務所と自宅をインターネット環境で統合して24H仕事可能にしています。先輩の経営コンサルタントが、「24時間365日営業」を名刺に印刷していると著書で知りました。私もコンサルタントの1人として同じ思いで働いています。

PC、プリンター、コピー、FAX、携帯電話等は誰でも簡単に用意できる時代です。書斎には、関連資料や本がありますので、平日夜と土日は自宅が職場です。アウットプット用の資料作成、読書、研究は事務所より相当実質仕事の時間は長いと思います。自宅勤務は、今は多くの方が当たり前に実施していると思います。お客様第1で時間配分をし、残りの公私の時間は自分で自由に活用できるようになりました。しかし、働く絶対時間は相変わらず長い状態が続いています。

「仕事」と「遊び」の「シーソーゲーム」を皆さんもやってみてください。早く初めて、時間を味方にすれば、小さな喜びの積み重ねが大きな喜びにつながると確信しています。
以上

(参考文献)
1. 佐々木昭美 BIエッセイ2010/01/12号『2010年初夢(個人編):「働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び」の生きる喜び「三喜計画」を描く』
2. 佐々木昭美 BIエッセイ2010/03/15 『「仕事」と「遊び」の「シーソー」試論? リーダーこそ身近で気軽なリフレッシュで活力を!』
3.松岡正剛『白川静 漢字の世界観』(平凡社新書 2008年11月初版)
4.節子・クロソフスカ・ド・ローラ『見る美 聞く美 思う美』(朝日文庫2007年12月)

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thumbnail_sasaki佐々木 昭美(ささき あきよし)

取締役会長 総合研究所所長

経営コンサルタント(経営改善、事業開発、ビジネスモデル、 人事戦略、IPO、M&A、社外取締役)

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