佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション

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2011/04/04 大震災に負けず、新年度スタート、『三喜計画(働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び)』を!

 3月11日東日本大震災を受けて、日本国民全員が第二次大戦以来の困難に直面しています。私の故郷宮城はじめ多くの東北・関東地域で尊い命が数多く失われ、未曾有の大災害に呻吟しています。心より哀悼の心を表し、お見舞い申し上げます。

原発・火力発電所の停止により東北・関東地域は停電、節電による生活不便と産業減退の現実に直面しています。福島原発への不安が国内ならず海外へ影響を与えつつあります。

 今、私は、「働くこと、学ぶこと、遊ぶこと」を当たり前に出来ることがどんなに喜びに満ちたことであるかをひしひしと感じています。皆様はいかがでしょうか?

 正月にカトリック信仰者である作家の曾野綾子氏著書『老いの才覚』を読んで、襟を正す言葉に出会いました。「喜ぶ」ということ自体が深い人間力が必要なことを教えられました。

 「聖書の中に「喜べ!」という記述があります。これは、人生に対する命令です。聖パウロは、「喜びを見つけること」が、私たちがほんものの幸福を手にすることのできる第1の鍵だといいます。
以前、皇后さまとその話題になった時、そうすることがどんなに難しいことでしょう、とおっしゃいました。私は驚くと同時に、非常にうれしかったのを覚えています。
どんな時も喜びなさい、と言われても、なかなか喜べるものではありません。しかし、パウロは、自分の意志によって喜びなさいと言うのです。」(参考文献8)

 私は、職業人約25年間の経験と研究を踏まえて、『三喜計画』を提唱し、自分でも実践しています。人生計画はあってもよし、なくてもよしでしょうが、自由に変更したり、捨てたりしても私は作る方です。

 この未曾有の事態にあたって、また4月新年度に当たって、『三喜計画(働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び)』を改めて、呼びかけたいと思います。私たちは、大震災の現実を受け止めながら、「災害復興と経済復興、新しい日本再生」を断固としてやり遂げなければなりませせん。三喜計画の実践は、きっと、“希望”の力になると信じています。
私は、今年1月に三喜計画を作りましたが、一部見直ししながら実践していきたいと思います。


(1)『三喜計画(働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び)』とは何ですか?!

 三喜計画とは、私の人生三分法の第Ⅲ期に当たって考えた「人生計画フレームワーク」です。(・BIエッセイ 2010/01/12号 2010年初夢(個人編):「働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び」の生きる喜び「三喜計画」を描く-2010年は「再スタート元年」-詳細はこちら>>

 そして、1年間の実践振り返りの一部事例を昨年末BIエッセイで紹介しました。人生の希望や夢を未知の荒波の中で実現する上でかなり有効な羅針盤となったようです。(・BIエッセイ 2010/12/13号 私の「2010年三喜計画(働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び)振り返り」を少し紹介します。詳細はこちら>>

 人生計画は古今東西の人間生活に共通する永遠のテーマで、膨大な出版物に溢れていますが、具体的なフレームワークを提唱したのは多くないようです。

 現代日本でその先進的著作に、1866年(慶應2年)埼玉県生まれで東大農学部教授となった本田静六『人生計画の立て方』(参考文献1)があります。1952年実業之日本社より出版されました。今でも、日本一の人生計画本だと思います。

 私が職業人として数年経った30才前後に読んで、今も書棚に保存している本を調べてみると、井上富男『ライフワークの見つけ方』『サラリーマン20年計画の実践』、脇田宗紀『ビジネスマンへの自己投資学』、吉野俊彦『複線的ライフワークのすすめ』、田中真澄『人生、勝負は後半にあり』等多数が残っており、今でもその輝きは変わりません。当時より私にとって人生計画は、相当大事なテーマであったようです。

 皆様、『三喜計画(働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び)』を一つの参考に、自分なりの人生計画フレームワークを創り、毎年実践してはいかがでしょうか? 現在の危機を乗り越え、実り多い人生に資すると確信しています。

図1:「人生3分法」のライフステージイメージ
図1:「人生3分法」のライフステージイメージ
準備期( 0~20歳)動物から人間への家庭教育、学校教育、地域教育で成長する時代
Ⅰ期 (21~40歳)大人として仕事で生きる職業能力実践習得、家族形成の時代
Ⅱ期 (41~55歳)領域一番で日本・世界で活躍し、子供の高等教育をする時代
Ⅲ期 (56歳~生涯)個人の適性・生き方に沿って、「生涯現役社会」に生きる時代 

(2)2011年「働く喜び」計画を作る――仕事のフレームワーク 「成功の宣言」

図2:仕事のフレームワーク 「成功の宣言」
参考資料
 大震災を受けて、仕事の内容は、「災害復興、経済復興、日本再生」の三位一体の視点で見直しを進めています。 
仕事の計画のフレームワークは、四画面思考研究所所長の近藤修司先生(北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科客員教授、元日本能率協会コンサルティング(株)代表取締役社長)が創造された四画面思考による『成功の宣言』(参考文献2)が大変役だっています。会社、組織としても、個人としても活用できます。(・Topics 2011/01/04 第3回開講 『永続する企業進化のOS!実績広がる四画面思考による改革実践力!』(BIP第3期事業リーダー実践塾)詳細はこちら>>

①「災害復興、経済復興、日本再生」――現在と未来を一緒に計画する四画面思考による『成功の宣言』を作る
・大震災の影響を暫定評価しつつ、「災害復興、経済復興、日本再生」に繋がる緊急対策、中長期政策をお客様毎に、「馬上錬磨」の姿勢で果断に実践しながら、適宜全体最適な行動を創造する危機の時代のリーダーシップを支援します。「複眼二刀流」で今日の飯(現在)と明日の飯(未来)の両方を並行してPDCAを回すのがポイントだと思います。
・「現状の姿」(現状の分析)、「ありたい姿」(10年後のビジョン)、「なりたい姿」(3年後の達成目標と重点戦略)、「実践する姿」(毎日やる事、毎週やる事、毎月やる事、毎期やる事、毎年やる事、3年毎になる事、10年毎にやること)を考え、宣言することで自分・自社のやりたい事が明確になり、実践の意欲が沸いてきます。


②戦略は細部に宿る ――四半期単位の『サクセスシート』(重点活動計画書)を作る
・戦略達成のための施策、組織、人事、予算等を具体的に決めるのがポイントです。
・四半期単位の重点活動計画書を作成して実践手順を明確にする。私は、『サクセスシート』と気分を盛り上げる呼び名にしています。
 
③自律他律で実践力 ――毎日、毎週、毎月実践することの明確化と自律他律ガバナンスを作る
・楽しい仕事の基本は自律的実行である。日報、アイデアミーティング、ナレッジ共創、BI研究会等で情報共有とナレッジ共創の場づくりを決める。
・毎週、毎月定期的に集団的ミーティング「YWT(やったこと、わかったこと、次にやること)振り返り」を必ず実施して、改善と実践を促進する自律他律のガバナンスのしくみをつくる。

(3)2011年「学ぶ喜び」計画を作る――学びのフレームワーク 「学ぶ3つのリテラシー」

図3:学びのフレームワーク 「学ぶ3つのリテラシー」
図3:学びのフレームワーク 「学ぶ3つのリテラシー」
 危機の時こそ人間は学ぶと言われます。人生・職業の成功や幸せは千差万別であるのは自明ですが、人間力・専門力・経営力の3領域が重要だと思っています。「学ぶ3つのリテラシー」は、私の学びのフレームワークです。

 人生とは「一引き、二運、三力」。社会教育家田中真澄氏の言葉である。引きとは何でしょうか。

「・・・どんなに腕があっても、まずは「あなたを使ってあげる」と、人様に引っ張り上げてもらえる機会を得なければ、永遠に能力を発揮することはできません。そういう”引き”の機会をどうつくるか、それが人生の勝負です。」(参考文献3)

では、どうしたら”引き”が得られるのか。その一番のポイントが、「積極的に生きる姿勢」「情熱」だと教えています。なぜなら、成功者ほど前向きに燃える人間であり、自分と同じように必死に生きる姿に共鳴共感して「おまえ、なかなかいいじゃないか」とチャンスをくれる、ということだからだ。凡人の成功哲学は、知識やテクニックの前に心がけや生活習慣が重要だと諭してくれる。

それで、私は学ぶ分野の第一に人間力を挙げています。

①仕事の中心価値と信頼づくりのために学ぶ――会社の調査研究+仲間との共同研究+個人の調査研究の合わせ技
・危機の時こそ、経営の王道が大切です。お客様に領域一番で持続的成長して頂く上で大切な骨格である「BI経営」を支援、強化するために、定期的に「ナレッジ共創」「BI研究会」「BI Lab News」を地道に推進します。
・現場実践と同時に日本、世界の新たな叡知を学び、同時に日本の知恵と技術を世界に発信する。昨年秋加入したBA(ビジネスアナリシス)研究のIIBA日本支部の活動を進めます。ベンチャー学会、組織学会、NPO法人社外取締役ネットワーク等の研究・交流は継続して進めます。

②趣味、家庭、人生を豊かにするにするために学ぶ――価値観、趣向で異なり、意外にも正解を見つけるのが難しいが深い喜びの世界
・「生涯現役」を目指し、既存メディアとモバイル環境生かした好きな読書・趣味・健康などの新たな情報収集・保管スタイルを手探りで始めたいと思います。
・Webサイト、ソーシャルメディア普及によって「絵図、言葉がポータル」が一層進化しています。図解、短い言葉の俳句、詩歌、アフォリズム(金言、警句、箴言、格言、座右の銘)に関心を持ちました。(参考文献4)

③学ぶ機会と研究・交流の資金を生み出す――自己投資+会社研究開発投資の積み重ねが明るい未来を創る
・全コンサルタントがコアサービス、コア研修コースを充実し、顧客に貢献し、営業収益から研究開発費を継続的に生み出す事業基盤をつくる。
・会社も個人もムダは節制し、調査研究と交流、教育投資を優先します。

(4)2011年「遊ぶ喜び」計画を作る――遊びのフレームワーク 「創る美、見る美、聞く美」

図4:遊びのフレームワーク 「創る美、見る美、聞く美」
図4:多色の創る美、見る美、聞く美
 大震災の困難な時期ですが、過度な萎縮は避けて、むしろ「遊び」は人間が元気を取り戻し、経済にも元気をもたらすと前向きに考えたいものです。
最も忙しいビジネスリーダーこそ「仕事」の計画は当然ながら「遊び」の計画も大事なことに気づき、リーダーのOFF、リフレッシュについて「イチローさん流ヒット型」「王さん流ホームラン型」両方の「遊び型」を書き大変好評でした。(・BIエッセイ 2010/03/15号 「仕事」と「遊び」の「シーソー」試論? リーダーこそ身近で気軽なリフレッシュで活力を!詳細はこちら>>

 「遊び」という言葉を調べていて、松岡正剛『白川静 漢字の世界観』(参考文献5)の中で、「遊」の言葉に出合いました。「遊」とは古代は危険の多い「出遊」であったそうですが、現代は自分の未知のことに踏み込む楽しい遊び=「美遊」と考えてもよいと私は勝手に解釈しました。日本人は遊びも「道」までに極める美学の国です。茶道、華道、芸道、書道、香道、文道、作法道、武道などに深化するすごい民族ですね。
 
 遊び分類を図4のように「創る美」「見る美」「聞く美」の3つの分野へ整理したのは、節子・クロソフスカ・ド・ローラ『見る美 聞く美 思う美』(参考文献6)に触発されたからです。私の遊びのフレームワークです。

①創る美(食事会、交流、社交、縁、カメラ、エッセイ、スポーツなど)
・ギャラクシーTabを購入し、ツイッター、フェイスブックを始めました。ツイッターはオンライン上での多くの出会いを通じて、災害救援の情報交換の場として活躍しています。フェイスブックは普段会えない仲間との絆作りや交流の場になりつつあります。もちろん、仕事仲間、友人知人ネットワークのリアルな交流も広げる計画です。
・毎週執筆しているBIエッセイは150号を越えました。本出版、電子書籍配信への夢?を持って引き続き頑張ります。

②見る美(旅行、自然、花、美術、建築、遺跡、映画など)
・昨年は西洋美術特別展ラッシュでした。今年は、日本美術・建築・工芸等を多く鑑賞する予定です。山種美術館 ボストン美術館浮世絵名品展(2/16~4/17)を鑑賞しBIエッセイを執筆しました。3月大震災で多くの企画が延期されています。「アートを力」に、過度の萎縮をせずに、趣味の美術館・博物館巡りは継続したいと情報収集を続けています。
・4月後半東北新幹線開通後に、大震災によって被災した故郷宮城帰郷を優先的に検討しながらも、趣味の国内旅行、夏期休暇の海外旅行も希望を捨てずに実施できればと思っています、

③聞く美(CD、コンサート、歌舞伎、オペラ、芸能など)
・今年は日本文化探訪元年として、歌舞伎、能、文楽など日本芸能をこつこつと鑑賞し始めたいと思います。(参考文献7)
・震災復興の時期は、一層「音楽は力」だと思います。こういう時期こそフェイス to フェイスの“絆”を確認し合うライブ、コンサートを見て元気をもらいたいと思います。

 先日新聞記事を読んでいた時、ジャズ奏者で有名な渡辺貞夫さんの言葉に出会いました。
「阪神大震災1年を控え、神戸市から追悼公演「阪神・淡路大震災ジャズコンサート」への出演と、鎮魂曲の作曲を依頼されました。僕は、どうも悲しい曲を書くのが苦手。この時も悲しみを前面に出したくなかった。亡くなった方に思いをはせた時、アイム・ウィズ・ユー(私はあなたとともにいます)というタイトルをまず思いついたのです。大切な人を思い、ずっと寄り添っていたい。そんな感情を込めて作りました。・・(略)・・そして、米国の名ベース奏者、レイ・ブラウンのバンドと「アイム・ウィズ・ユー」を演奏しました。」(讀賣新聞2011年4月2日朝刊 時代の証言者)

被災者の方々への「アイム・ウィズ・ユー」の気持ちを忘れないで、三喜計画(働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び)を進めましょう!

以上

(参考文献)
1.本田静六『人生計画の立て方(新装版)』(実業之日本社 2005年7月 初版 1952年出版の新装版)
2.近藤修司&成功の宣言文コミュニティ『四画面思考の基本』(四画面思考研究所 2009年4月)
3.田中真澄「ベドガーに学ぶセールスの極意」(致知出版社 『致知』2007年7月号)
4.ロバート・ハリス『アフォリズム』(サンクチュアリ出版 2010年12月)
5.松岡正剛『白川静 漢字の世界観』(平凡社新書 2008年11月 初版)
6.節子・クロソフスカ・ド・ローラ『見る美 聞く美 思う美』(朝日文庫 2007年12月)
7.日経おとなのOFF『和の作法 和のこころ』(日経BP社 2011年1月発行)
8.曾野綾子『老いの才覚』(KKベストラーズ ベスト新書 2010年9月 初版第1刷)

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